【アルファロメオ復活の第2弾 vol.2】ステルヴィオ プレミアムSUVの個性あふれる、切れ味鋭い走りが魅力

マニアック評価vol615
アルファロメオ・ブランド復活の第2弾としてデビューしたプレミアムSUV「ステルヴィオ」は、ブランドを特徴づけるデザインと走り、そしてセンスを持って登場した。
アルファロメオ ステルヴィオ 試乗 フロントスタイル

2017年に国内デビューしたジュリアと共通のプラットフォームGiorgioを使いSUVに仕上げている。ボディサイズは全長4690mm、全幅1905mm、全高1680mmでホイールベースはジュリアと共通の2820mmだ。

アルファロメオ ステルヴィオ 試乗 サイドビュー
6ライツとはせず、リヤの居住性も考慮したデザイン

名前のステルヴィオはイタリア北部のアルプス山中にある峠の名前に由来しているというのだから、そのハンドリングをはじめ、ワインディング走ることを得意としていることをアピールしている。

アルファロメオ ステルヴィオ 試乗 フロントフェイス
グランドクリアランスは200mmとSUVとしては低め

スペックを見るとジュリアと共通とはいいつつ、グランドクリアランスはSUVなので200mm確保し、ジュリアよりトレッドもフロントが+54mm、リヤが+29mmでそれぞれ1622mm、1651mmとワイドトレッド化している。サスペンションレイアウトは「アルファリンク」と呼び、フロントがダブルウイッシュボーン、リヤがマルチリンクで前後にスタビライザーを装備している。

そしてロール角はジュリアとほぼ同じでスポーティセダンのドライビングが楽しめるとしている。ちなみに、装着しているタイヤサイズは255/45R20で、銘柄はミシュランのラチチュードスポーツ3だった。ロール角のデータとしては120km/hの定常円旋回時、ライバルの多くが4.2度前後に対し、3.7度と圧倒的にロールが少ないというデータを公表していた。

Dセグメントのプレミアムモデルでは、6ライツのデザイン手法を取るモデルが多いが、ステルヴィオは採用せず、フットスペースや肩周りの広さはクラストップという説明だった。またトランク容量も525Lの容量を持ち、実用性への配慮もあるプレミアムモデルだ。

アルファロメオ ステルヴィオ 試乗 エンジンルーム 4気筒2.0Lターボエンジン
4気筒2.0Lターボは280ps/400Nmの出力

搭載するエンジンは2.0L 4気筒ターボでZFの8速ATを搭載するAWDだ。アルファロメオでは「Q4」とよび、FRを基本としつつ、100%リヤ駆動にもできるAWD制御にしている。

ボディはアルミ材を採用した軽量ボディで、ドライウエイト1.6t。280psのエンジンとの組み合わせでパワー/ウエイトレシオはクラストップの6kg/hp以下になっているという。軽量化ではボンネット、エンジン、ブレーキキャリパー、サスペンションにアルミ材を使い、プロペラシャフトにはカーボン製を採用し、もっとも軽量なSUVとなっている。

最大加速Gは、0.95Gを実現しているという。0-100km/h加速は5.7秒で、100km/hからの短制動では37.5mとし、軽量化を活かしたスポーツ性の高さもアピールする。

試乗レポート

存在感の強い顔のステルヴィオのドアを開けると真っ赤なレザーシートが目に飛び込む。黒と赤を基調にデザインし、メカニカルな印象の2眼式メーターが走りを予感させる。そのレザーの手触りも良く、高級感をたっぷり味わえる。

アルファロメオ ステルヴィオ 試乗 インテリア
とてもSUVのインテリアには見えない。まるでスポーツカーのインテリアのようだ

また、ダッシュパネルは樹脂に赤の塗装をしているので、全体のトーンが統一され、センスの良さを感じるし、材料違いによる発色の違いがないという点も凄いと思う。

アルファロメオ ステルヴィオ 試乗 ダッシュボード
素材違いでも赤の発色が揃っているうまさがある

ドライビングモードはd、n、a、の3段階があり、ダイナミック、ナチュラル、アドバンスド エフィシェンシ―(エコモード)、という3段階。通常はnのナチュラルで走行。ハンドルは軽く、高級車の雰囲気がバッチリある。違うのは、微小舵でもクルマが動くことだ。この機敏な動きに一体感があり、言い過ぎかもしれないが、まるで遊びのないレースカーのような動きにも感じるのだ。それほど一体感があると言いたい。
アルファロメオ ステルヴィオ 試乗 コックピット

そして20インチサイズのタイヤを全く感じさせない乗り心地と、ダンパーのフリクションが全くなく、しなやかに全域で動く。パドルシフトのタッチがドイツ車とは異なり、ソフトな変速タッチだ。ドイツ車はどのメーカーもカチッとした、スイッチのようなシフトシールだが、BMWと同じZF製を採用しながら、フィールを変えているあたりにこだわりを感じる。

アルファロメオ ステルヴィオ 試乗 センターコンソール セレクターレバー dna切り替えダイヤル
ドライビングモードはシフトレバーの下右側のダイヤルで変更する

乗り心地は滑らかで丸い走りをする。dモードに切り替えるとアクセルのレスポンスが良くなりちょうどいい感じになる。ステアリングの操舵は重くなり、だんだんレーシーになっていくが、キチンとクルマも反応しているので、この機敏さが丁度いいと感じる。また、ギヤを「D」に入れたままでもドライブモードが「d」であれば、シフトダウンは自動で行なう。また、自慢のブレーキだが、本当に良く効くから安心感が高いこともつけ加えておく。

「a」モードはレスポンスが落ち、エコモードだ。このクルマの性格には似合わないモードで、使う機会は少ないのではないか。

アルファロメオ ステルヴィオ 試乗 リヤシート
リヤシートの広さ、足元の広さもたっぷりある

このクルマは運転が上手な人にはたまらなく楽しいだろうが、運転を苦手とする人だと、クルマが動き過ぎて疲れるかもしれない。アルファロメオというブランド自体、人とは違い、個性的と思われたい人に好まれるというユーザーデータが示すように、そうした運転好きのユーザーからの支持が多そうだ。

2018年7月21日からファーストエディションが689万円、400台限定で発売され、そののち、ラグジュアリーパッケージ、スポーツパッケージ、そして受注生産のベースグレードが発売される予定だ。いずれも2.0L 4気筒ターボで280psエンジンを搭載しているモデルだという。そして2018年の年内には、2.9L 510psのトップグレード「クアドリフォリオ」を導入するとアナウンスしているので、よりアルファロメオの個性が引き立つ展開になっていくだろう。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

【価格】
・アルファロメオ ステルヴィオ ファーストエディション:689万円(税込み)

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COTY
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