アルファロメオのファンにとって嬉しいのは、本格的な復活劇がこれから始まるという情報だ。ステルヴィオ発表試乗会の会場に来日した開発責任者、アンドレア・ジザック氏は「ルネッサンス」だと発言している。
アルファロメオは1910年に設立しているものの、必ずしも商業的に成功しているブランドだとは言えないと認めている。しかし、アルファロメオのブランドを見直し、真の意味でのグローバル・プレミアムモデルとなるにふさわしい歴史と伝統があり、その復活劇がジュリアから始まったのだ。その第2弾ステルヴィオが上陸した。
アルファロメオ・ブランド復活のきっかけは、やはりフィアット・クライスラーとなったことが影響している。先ごろ亡くなってしまったマルキオンネ氏の功績は大きい。アルファ復活に際し、クライスラーからのキャッシュ、50億ユーロをアルファロメオ単独で使うこととし、R&Dに3年間で使うという決定をしている。
そして、販売という点でもクライスラーがグループとなることで、北米、中国にも販路が新たにできたことも大きい。そのため、2020年までに40万台規模へと成長させる目標を立てている。ちなみに、アルファロメオが最も人気の高かった1980年代でも年間18万台だった。また、このプロジェクトの立ち上がった2014年では、6万8000台というのがグローバルでの販売台数で、約7倍の規模への拡大を目指すということなのだ。
一方、開発においてはアルファロメロ専門の開発スタッフが立ち上げられた。通称「SKUNK(スカンク)ワークス」と呼ばれるエンジニア集団が結成されたのだ。このSKUNKワークスにはフェラーリからエンジニアが移籍し、200人規模でスタート。2017年で600人規模に拡大している。
さて、新生アルファロメオは、独自の後輪駆動ないし4WDのプラットフォームを持ち、SUVまでを含むEセグメントまでカバーするモデルを開発する。このオリジナルの新プラットフォームは「Giorgio(ジョルジョ)」と呼ばれ、詳細は不明だが、CEOのSergio(セルジオ)・マルキオンネ氏、その名前が由来という説がある。
エンジンはガソリンとディーゼルを独自に開発し、FCAとは共有しないことも明言している。そしてそのエンジンはイタリアで製造することも付け加えている。さらにパーツ類の購買に関してもFCAの関与がなく、これまでの関係性は一切関係なく、リソースはすべて採用が可能だという。
こうした開発体制で誕生してくるアルファロメオは、全部で8モデルをローンチするとしている。そのスタートが2017年に国内導入されたジュリア(Dセグメントのセダン)というわけだ。そして第2弾が今回の「stelvio(ステルヴィオ)」だ。アルファロメオ初の量産SUVでもある。
そして、2017年の時点では、2020年から22年にかけて6モデルを追加すると発表している。それはEセグメントのセダン、SUVを2モデル、スポーツモデルが2モデル、そしてコンパクトモデルが1モデルと、全部で8モデル体制でアルファロメオ・ブランドを展開していくとしていた。2018年に入ると、モデルラインアップは、Cセグメントのクロスオーバー、Cのクーペ、つまりジュリアより小さいジュリエッタの後継モデル。そしてEセグメントのスペシャリティとEセグメントのクロスオーバーという4モデルへの言及があった。
vol.2ではステルヴィオをじっくり見てみよう。
【価格】
・アルファロメオ ステルヴィオ ファーストエディション:689万円(税込み)