アルファ ロメオ 伝説の「ジュリアGTA」が復活【動画】

アルファ ロメオは2020年3月6日、創立110年を迎えるにあたり、ブランドの歴史において最も象徴的なモデルに敬意を表するためのニューモデル「ジュリアGTA」を復活させると発表した。

アルファ ロメオのブランドは2020年6月24日に創業110周年を迎える。これまでアルファ ロメオは一貫してスポーツ性とエレガンスさを融合させたDNAを保ち続けると同時に、絶えず革新を行なってきた。このスペシャルモデルは世界限定500台で、すべてシリアルナンバー付きだ。3月6日からグローバルで受注を開始した。ただし価格は未定となっている。

「GTA」の神話

GTAとは「Gran Turismo Alleggerita」(Alleggeritaとはイタリア語で軽量化)の略語で、1965年のジュリア・スプリントGTAにその起源を遡ることができる。これはスプリントGTから派生したバージョンで、本格スポーツモデルとしてデザインされ、同年アムステルダム・モーターショーで発表された。

ジュリア・スプリントGTのボディは、GTAではアルミニウムに置き換えられた結果、ロードバージョンの950kgから大きく軽量化されて745kgとなった。この派生モデルは、ロードバージョンでは1.6L・DOHCエンジンを搭載し、デュアルイグニッション方式を採用して、当時としては印象的な115hpを発生した。

アルファ ロメオのワークスレーシングチームである「アウトデルタ」は、このクルマをツーリングカテゴリー向けのベース車両に選定し、最高出力を170hpまでチューニング。レースではヨーロッパ・ツイーリングカー・レースで3連勝し、国内選手権で数多くの栄冠を手にし、世界各地のレースイベントにおいては数百もの勝利に輝いた。この活躍により、このモデルはラインアップ全体のイメージアップに大きく貢献した。

ジュリア・スプリントGTAは「A victory a day in your everyday car」(日常のクルマで1日1回勝利する)というキャッチフレーズ通りの戦績を収めた。それ以来、GTAはアルファ ロメオのスポーティさを表現するアイコンとなっている。

F1ザウバーチームの技術をフィードバック

創立110周年にあたる2020年、アルファ ロメオはそのブランドを愛するエンスージアストにジュリアGTAをプレゼントすることになった。そのGTAには、標準仕様のGTAと2シーターとしたリアル・スポーツモデルのGTAmという2種類の仕様がある。

新型ジュリアGTAの開発にあたり、アルファ ロメオのエンジニアは空力性能とハンドリングの改良を目指したが、1965年のジュリアGTAと同様になによりも重視したのは軽量化だった。ダウンォース向上のためアクティブ・エアロダイナミクスが徹底的に研究された。とりわけザウバー・エンジニアリングからの技術やザウバー製エアロキットの採用など、F1の世界から直接フィードバックされたノウハウが含まれている。

F1からのノウハウを生かしてサイドスカート、専用リヤスポイラー、アクティブ・フロントスプリッターが装備された。アクラポヴィッチ製のチタニウム・セントラル・エキゾーストシステムが新たに採用され、カーボンファイバー製のリヤディフューザーと一体化されている。

20インチサイズのホイールはセンターロック式となっており、セダンとしては初搭載となる。高速走行時のハンドリング改善は、フロント、リヤのトレッド幅を50mm拡大し、サスペンション・システムのスプリング、ショックアブソーバー、ブッシュを新設計することで実現。GTAmは、空力性能を高めるフロントピースは、高速走行時に完璧なロードバランスを確保する大型フロントスプリッターとカーボンファイバー製リヤウイングを採用している。

パフォーマンスの面では、標準バージョンで510hpの出力を誇るパワフルなオールアルミ製2.9L・V6ツインターボエンジンは、ジュリアGTAにおいてはエンジニアの精密なキャリブレーション作業により、540hpまで出力がアップ。さらに他車と一線を画するサウンドを奏でるように、新設計のアクラポヴィッチ製エキゾーストシステムもチューニングされている。

インテリアでは、ダッシュボード、ドアパネル、グローブボックス、サイドピラー、シートのセンタートリムなどにアルカンターラが採用されている。GTAmバージョンは、アルカンターラを広範囲に適用し、リヤシートを完全に取り去った場所にヘルメットと消火器を格納するためのスペースにもアルカンターラを使用。

新設計のマットカーボン・インサートは、テクニカルな素材ながら美しいエレガンスさを表現している。GTAmではロールバーが設置され、ドアパネルやリヤシートは存在せず、ドアハンドルの代わりに開閉用のベルトが採用されていいるが、これはモータースポーツに由来するインテリア仕上げなのだ。

カーボン材による軽量化

傑出したパフォーマンスは、エンジンパワーだけではなく、広範囲に及ぶ車体の軽量化により生み出されていることは言うまでもない。

ドライブシャフト、ボンネット、ルーフ、フロントバンパー、フロントホイールアーチ、リヤホイールアーチ・インサート、加えてGTAmの場合はサベルト製6点式シートベルトを備えるスポーツシートのシェルにカーボンファイバーなどの軽量素材を使用し、約100kgもの軽量化に成功している。

エンジン、ドア、サスペンションなどには軽量アルミニウム材を使用、さらに複合材も積極的に活用している。たとえばモータースポーツの世界から直接フィードバックされたポリカーボネイト樹脂「レキザン」は、サイドとリヤのウィンドウフレーム素材として採用されており、さらなる軽量化に貢献している。

その結果、車重は約1520kgを達成し、540hpに強化されたエンジンパワーにより、パワーウエイトレシオは2.81kg/hpとなっている。0-100km/h加速は、ローンチコントロールシステムがサポートし、わずか3.6秒。ジュリアGTAmは公道走行も可能な2シーター・バージョンで、フロントスプリッター、大型リヤウイングは、究極のスポーティさを表現するカーボンファイバー製となっている。

GTAバージョンの最高出力は共通で、シートは4座、リヤにロールバーはなく、スポイラーとスプリッターは日常の使い勝手を考慮した形状となっている。そのためドアパネル、シート、ウィンドウはジュリア・クアドリフォリオのものを使用している。

購入者は特典付き

ジュリアGTAと、究極バージョンのGTAmは、合計500台の限定生産で、認定シリアルナンバーが付与される。それにより、1965年に発売されたオリジナルモデル同様、マニア垂涎のコレクターアイテムとなる。

予約は既に開始されているが、申込者が500人に到達した段階で受付を締め切り、ブランドアンバサダーである製品スペシャリストが、発注から納車までを見届ける1対1のセールスプロセスが採用される。

購入者の特別な待遇はそれだけに留まらない。オーナーは、GTAカラーに塗装されたベル製ヘルメット、アルパインスターが手がけたフルレーシングセット(レーススーツ、グローブ、シューズ)、そしてGTA/GTAmを保護するための、パーソナライズされた良質ウール製車両カバーなどから成るパーソナライズド・エクスペリエンス・パッケージ・キットを受け取ることができる。

さらに真のエンスージアスト向けとして、アルファ ロメオ・ドライビングアカデミーが開発したスペシャルドライビング・エキスペリエンスも用意される予定になっている。

なおこのジュリアGTAの日本への割当台数、価格などは未定となっている。

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