アルファロメオ ジュリアディーゼル 覚醒【試乗記】(FR:2.2Lディーゼルターボ/8AT)

プレミアムDセグメントサイズの新たなプレイヤーとしてアルファロメオ・ジュリアが復活している。そのジュリアにディーゼルエンジンを搭載したモデルが追加され、試乗してきたのでお伝えしよう。

アルファロメオ ジュリアディーゼル 試乗記

おすすめは運転に自信がある方へ

ジュリアはハンドリングの良さに定評があり、ハンドリングといえばBMWの3シリーズが思い浮かぶ。その3シリーズはハンドリングのベンチマークと言われ、グローバルで目指すべきハンドリング性能と言われているが、イタリア生まれのジュリアは若く、たくましいハンドリングで、よりいいなりに動いてくれるモデルという評価が多いと思う。そのハンドリング自慢のジュリアにディーゼルエンジンを搭載し、エンジンレスポンスを含め「ジュリアらしい」のかチェックしてみた。

アルファロメオ ジュリアディーゼル 試乗記

試乗コースは箱根のワインディングと高速道路。高回転まで回らないディーゼル、ガラガラという音をイメージする人もいるだろうが、まったく違った印象だ。ガソリンエンジンと比較すれば、高回転は回らないが、ディーゼルは常にトルクバンド内で走行しているので、逆にガソリン車よりも少しの踏み込みでレスポンスがいいというのが常識だ。

アルファロメオ ジュリアディーゼル 試乗記

特にワインディングの走行では、高め高めのギヤが使えながらトルクバンドを外していないので、パーシャルにもレスポンスし、微妙なアクセルワークにも反応するレスポンスの良さが味わえる。ドイツ・プレミアムモデルに乗っているユーザーには、一度乗ってみることをお勧めする。明らかにドイツのどのモデルより切れ味が鋭い操舵フィールを体感するし、「自分が求めていたのはこれかも?!」といった感触になるかもしれないからだ。

アルファロメオ ジュリアディーゼル 試乗記

その切れ味の鋭さは、ジュリアに試乗したあと3シリーズに乗ると、ステアフィールがスローに感じるほどの違いがあり、もし、意味もなくドイツプレミアムに乗っているなら試す価値は高いと思う。レクサスISも車格的にはライバルになるが、ダイナミック性能においては、及ばないので比較するまでもない。

アルファロメオ ジュリアディーゼル 試乗記

そんな敏感なフィーリングでありながら高速での直進性は高く、どっしりとした安心感がある。もちろん静粛性は高く高級車である満足感は得られる。気にするとしたらタイヤに由来する乗り心地かもしれないが、ハンドリングとのトレードオフであるし、取り立てて気にするレベルでもない。

ちなみに100km/h走行時のエンジンスピードは1450rpm付近を示している。8速にシフトされ燃費も良さそうな印象だった。トルクバンドは1750rpmなので、6速にダウンシフトすれば450Nmが発揮され体はシートに押し付けられる加速が手に入る。

新たなプレイヤー

プレミアムDセグメントというとBMW3シリーズ、メルセデス・ベンツCクラス、アウディA4、そしてジャガーXEあたりの名前が挙がるが、イタリアからアルファロメオブランドが復活し新たに名乗りを上げたのは2015年6月。その時ミラノで発表されたジュリアは2017年10月から国内販売が始まっている。

アルファロメオ ジュリアディーゼル 試乗記

ボディサイズは全長4645mm、全幅1865mm、全高1435mm、ホイールベース2820mmというサイズで、ライバルに対し車幅がやや大きい程度の違いだ。車重は1600kg。グレードは「SUPER」でガソリンのスーパーは1590kgなので、10kg増というレベルだ。

アルファロメオ ジュリアディーゼル 試乗記

搭載するディーゼルは2.2Lターボで、出力は140kW(190ps)/3500rpm、450Nm /1750rpmとなっている。ドイツ勢らは2.0Lターボで揃い、トルクも400Nmなので、パワーウエイトレシオからもライバルよりは力強いパワーユニットを搭載していることがわかる。

アルファロメオ ジュリアディーゼル 試乗記

トランスミッションはZF製の8速ATで、使い勝手はBMW3シリーズとまったく同様。「P」はシフトノブのPマークをプッシュ。Dはワンノッチ手前に引き、リバースはワンノッチ前に倒す動き。スポーツモードはシフトレーバーを左側へ倒し、前方への操作でダウンシフトするシーケンシャル・シフトだ。もちろん、パドルシフトが装備され、イタリア車に共通するステアリングコラム固定式が装備されている。

ドイツ車が高性能であることは間違いないが、運転に自信がありクルマとの会話が楽しめるような腕前の人には間違いなく響くモデルだ。あとは市街地でも乗りやすいディーゼルを選択するか、高回転のサウンドを楽しめるガソリンにするかというチョイスではないだろうか。<レポート:高橋明/Akia Takahashi>

【税込価格】

  • AlfaRomeo GIULIA 2.2TURBO DIESEL SUPER:556万円

【諸元】

  • エンジン:直列4気筒2.2Lインタークラーターボ
  • 最大出力:140kW(190ps)/3500rpm
  • 最大トルク:450Nm /1750rpm
  • 駆動方式:FR
  • トランスミッション:8速AT
  • ボディサイズ:全長4645mm、全幅1865mm、全高1435mm、ホイールベース2820mm
  • WLTCモード燃費:17.2km/L
  • 市街地モード燃費:11.8km/L
  • 郊外モード燃費:18.1km/L
  • 高速モード燃費:20.6km/L

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