グループPSAジャパンは2020年6月24日、DSオートモビルの本格的な電気自動車「DS3クロスバックE-TENSE」の概要を発表し、日本市場に導入することを明らかにしました。
DSブランドにおける電気駆動モデルの位置づけ
Bセグメントの「DS3クロスバック」は、もはやクルマという概念を超越し、フランスならではの建築、ファッションにおける様式を踏まえたデザイン性や伝統的装飾技法で作り込まれた独創的なラグジュアリーコンパクトSUVです。
この「DS3クロスバック」に、2019年度(シーズン5)フォーミュラEチャンピオンシップで勝利を飾ったDSオートモビルの電気駆動テクノロジー「E-TENSE」を融合させた電気自動車モデルが「DS3クロスバックE-TENSE」です。
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DSオートモビルはパリ発信のブランドで、1920年代の栄光のフレンチラグジュアリーカー復興を担うブランドですが、ふたつの相反する要素を内包しています。ヘリテージとアヴァンギャルドという2大要素です。
DSオートモビルのヘリテージとは過去の自動車文化だけではなく、オートクチュールやジュエリーのサヴォワフェール(匠の技)としてフランスに伝わる数百年の伝統を意味しており、アヴァンギャルドは電動テクノロジー「E-TENSE」を意味しています。
DSオートモビルは2015年のごく初期段階からフォーミュラEに参加しており、特に2018年以降の「DSテチータ」チームで蓄積された電動化テクノロジーはアヴァンギャルドの柱となっています。さらにまたDSオートモビルは、PSAグループの電動化の先駆ブランドと位置づけられているのです。
DSオートモビルのベアトリス・フシェCEOは、「電気自動車は、現在のモビリティの課題に対する有効な解答です。 ブレーキ時の運動エネルギーを回収し、内燃機関では不可能な卓越したエネルギー効率を実現しています。 無音のうちにゼロ回転から瞬間的にトルクが立ち上がるドライビング エクスペリエンスは、 比類なき喜びをもたらしてくれるでしょう」と語っています。
なお、「DS3クロスバックE-TENSE」は100%電気自動車ですが、DSオートモビルは、今後はプラグインハイブリッド、ハイブリッド モデルにも「E-TENSE」の名称を使用し、電動化モデル全般を意味するブランド名となります。
「eCMP」プラットフォームを採用
DS3クロスバックE-TENSEが採用している電動化プラットフォーム「eCMP」は、すでに発売されているDS3クロスバックのプラットフォーム「CMP」の電動化版で、バッテリーと電気モーターを効率的にレイアウトしています。
居住空間やトランクスペースを犠牲にすることはなく、フル5座席でクラス最大級の約350Lのラゲッジ容量を持っています。また電気自動車は内燃機関独特の振動や音が存在しないことにより、外部環境からのノイズが相対的に大きく感じられますが、DS3クロスバックE-TENSEは、このセグメントで他に類をみない静粛性を実現しています。
インテリアでは、7インチのタッチスクリーンの下には、タッチコントロールとセンターエアアウトレットがひし形に配置されています。このスクリーンには車両セッティングなどが表示できます。
装備としてはバッテリーのヒートポンプ、タイヤ空気圧モニタリングシステム、回生ブレーキと統合されたABS、ESP、運転支援システムのレーンキープアシスト、ヒルスタートアシスト、リヤパークアシストなどが標準装備されます。
またインテリジェントなDSマトリックスLEDヘッドライトなど、最新世代の技術が装備されるほか、キーがクルマから1.5m以内に近づくと、埋め込まれたドアハンドルが自動的にボディからせり出す、プロキシミティ キーレスエントリー&スタートも内燃エンジンモデルと同様に装備されています。
グランシックは、ヘッドアップディスプレイとレザーシート、レザー張りダッシュパネルが備わります。
エクステリアでは、アクセントとしてサテンクロームのDSウィング、アンスラサイトグレーのグリル、各部のE-TENSEのマークが配されています。リヤバンパーにはもちろんエキゾーストパイプはなく、よりシンプルで彫刻的な美しさが際立つリヤデザインとなり、18インチのキョート アルミホイールとE-TENSE専用の新色パールクリスタルなどが際立つエレガンスをさらに強調しています。
136psのモーター、50kWhのバッテリーを搭載
DS3クロスバックE-TENSEの駆動モーター出力は、136ps(100kW)で、50kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載することでWLTP航続距離320kmを実現しています。
そしてドライブモードは、3モードが設定されています。航続距離の最大化を図るECO、ノーマル、そしてパワーとトルクを最大化するスポーツモードです。これらのモードとは別に、フォーミュラEからインスパイアされたノーマル、ブレーキという2つのエネルギー回生モードが実装されており、ドライバーは好みに応じてシフトレバーの操作により選択することができます。
ノーマルでは、アクセルペダルを戻した時のエンジンブレーキの挙動をシミュレーションし、人の感覚に合ったなじみのある自然な減速感を実現。ブレーキは最大減速度約1.3m/sとなり、ワンペダルドライブに近い運転が可能です。
この「DS3クロスバックE-TENSE」は2020年夏頃に正式発表され、早ければ年内には導入される予定となっています。