VOL.100 吉田由美のピンポイント&チャームポイント
先日、新しくBMWのラインアップに加わる新型のコンパクトクロスオーバーSUV「X2」に試乗するため、ポルトガルに行ってきましたが、その前に日本で、ベースになっている「X1」と、同じSUVのラインアップということで「X3」に試乗。
昨年フルモデルチェンジした「X3」。運転席に座った瞬間、私はあることに気が付きました。
なになに?この“見て見て感”!?
そもそもBMWといえば「駆け抜ける歓び」というキャッチフレーズが印象的で、まさにBMWを表現するのにピッタリの言葉。レクサスも、とあるモデルに対して「BMWを超えた」という表現を使っていたほど。
このBMWの武骨なクルマ造りや乗り味をベンチマークにしていたのは間違いありません。
しかしそのBMWも、今もなお進化しています。
私が感じたのは、運転席に座った時のエンジンのスタート/ストップスイッチの傾き具合。通常は地面に対して垂直か、少しだけ/ぐらいの角度で設定されていますが、「X3」の場合は、極端にドライバーオリエンテッド。ドライバー方向に25度ぐらい傾いています。
完全に助手席や後席は無視し、まさにドライバーだけに向かっての健気なアピール。
まるで「私だけを見て見て!」と言っているかのような。
ドライバーはクルマに乗り込んでシートに座り、シート合わせをした後、最初に押すスイッチがエンジンスタートのスイッチですが、ドライブの最初と終わりにそのスイッチを押す儀式が待っています。その度に、改めて感じる自分だけが特別扱い。その度に、キュン!ときそう。こういう積み重ねが、「単なるクルマ」から「愛車」に替わるポイントなのかも。
ちなみにこのスイッチの傾きは「X3」のこのモデルから。そして新型「X2」にもこのスイッチの傾きは伝授されていました。というわけで今後、BMWのSUVのエンジンスタート/ストップスイッチは、こうなると思われます。