【今日の編集後記】続編 欠航便との闘い

翌日、無事に用事を済ませ、天気が崩れるからという友達のアドバイスで夕方の飛行機を予約していたが、午後1時過ぎの便に変更した。新千歳空港にはJRで向かい、何事もなく東京に戻れるものと思い、早めに戻る分、何からかたずけなければならないか?の算段をしていた。気になる天候は案の定、崩れ始めているようで、搭乗時間になっても機内に入れない。

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すべてがこの欠航からはじまった

アナウンスでは「悪天候で使用機体の到着が遅れたため」と言っている。それでも40分ほど遅れただけで搭乗できた。機内は満席。たくさんのインバウンドのみなさん。中国語らしき言葉が飛び交う。「彼らの言葉は普通に話をしていても怒鳴り合っているように聴こえてしまうのは、何故だろう」などと思いつつ、PCを広げ隙間時間でメールの確認。しかし、駐機場を離れ離陸のため滑走路に向かうが、なかなか離陸しない。

すると機長からのアナウンスで、「悪天候のため駐機場に引き返します」と。滑走路上には30分ほど待機していたが、ダメだったようだ。その後、すぐに降ろされるのかと思いきや、なかなかおろさない。1時間ほど機内でまたされた挙句、欠航がアナウンスされた。おかげでメールは処理できたのだが。。。

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札幌の市内も記録的な大雪だとニュースでは伝えていた

となれば、その後の対策を考えなければならない。出発ロビーへ行きカウンターで確かめようと思ったがものすごい人、人、人。あの広い千歳空港の出発ロビーが満員電車のようになっている。とてもカウンターなどにはたどり着けないと思った。あまりの人の多さに辟易し、さっさと諦めたのだ。今朝チェックアウトしたホテルへ速攻で電話し、今夜泊まれるか確認したら、同じ料金で泊まれるという。良心的だ。というわけで、札幌のホテルに戻り、明日の帰京の手筈に取り組んだ。

タカハシはANAのマイレージカード(申請すると誰でももらえます)を持っていて、メンバー専用電話に連絡。なかなかつながらないがじっと待つこと15分。オペレーターにつながった。
「便が欠航したので、でどうしたらいいか?」と聞くと、なんとこの電話で変更ができるという。さっそく調べてもらい、明日の便の空席を聞く。

すると、17時発の便まで満席だという。
「当たり前か。今日は午後からの便、全便が欠航しているんだから、翌日は満席にもなるよな」
しかたないので、その便を予約し、電話をきった。

■悪夢の2日連続欠航
翌朝も天候は回復していない。ホームページで運行状況を見ると遅れながらも便は飛んでいるようだ。17時までには相当時間があるが、早めの行動をとったほうがいいと考え、11時にチェックアウト。そのまま札幌駅に向かった。

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ホームには人があふれ、危険な状態

ところが、札幌駅は通勤ラッシュ以上の込み方。新千歳方面に向かう電車に乗る人があふれているのだ。ホームが危険な状態というほど人であふれ規制までしている。さらに、その電車も全然来ない。さすがに嫌になり、新幹線という手段を考えた。

ホームを降り、いったん改札を出てみどりの窓口へ行き、新横浜まで行けるのか?相談。すると問題なく運行しているということで、新幹線を選択した。

ルートはこのまま札幌から新函館北斗駅まで在来線の特急で行き、そこで新幹線に乗り換えというルート。函館までは3時間半もかかり、函館から東京までは4時間というなんとも距離感のわからない時間のかかり方だ。

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新千歳方面のホームは入場制限が・・・・・・

座席指定のとれた午後1時半の列車の時間が迫り、ホームへ行くと、まだその前の電車がホームにいる。どうやら在来線にも遅れが出ているようだ。でも予定より30分ほど遅れただけで出発できた。

途中、ポイントに雪がたまり、ポイント切り替えができないトラブルが発生したと、緊急停車。でもJR北海道は慣れっこのはず。人力らしいが15分ほどで動くようになり再出発。

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お昼はお弁当を買って札幌~函館ののんびり旅のはずが

函館に向かうには新千歳駅を通る。すると大量のインバウンドが乗り込んできた。中国語らしい。。。指定席にゆったり座って、PCとお弁当を広げ、車内の乗車率も30%くらいでゆったりとした時間を過ごしていたのも束の間だった。

車内は満員になり、インバウンドは大きなスーツケースをたくさんもっていて通路はそのスーツケースで封鎖されてしまった。飛行機が飛ばないので、新幹線に切り替えたのだろう。

指定席車両だが、インバウンドのみなさん、空いてる席にジャンジャン座る。富裕層だから関係ないかもしれないが、指定券を持たずで指定席に座り、タカハシは支払っている。うむ。小市民タカハシは心がモヤモヤする。満員だから検札も来ない。じっと席に座ったまま、中国語を聞くこと3時間。

しかしこの在来線も70分遅れの運行で、長万部を過ぎたあたりで、乗るはずの新幹線の時刻になっている。この場合はどうすんだ?と思いながらさらに中国語を聞く。開いたPCなどまったく手につかない。文章が頭に入らないし、この先のことを考えるからキーボードが手に馴染まない。

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改札をオープンにして、JRの職員が手際よく乗車券を配る

そして新函館北斗駅に到着すると、ドバーッと全員降りる勢いでホームに。予定より90分遅れで到着。この新函館北斗駅は在来線から新幹線に乗り換える人がほとんどなので、乗り換え対応のために、駅員はスタンバっていた。

改札もフリーになっている。しかし、乗るはずの新幹線はとっくに出発しているので、駅員にどうしたらいいのか?聞こうとした瞬間、駅員から「東京ですか?」と聞かれ「そうだ」と答えると次の新幹線の座席指定の切符を渡された。

まわりを見るとみんなにそんな対応をしている。

結局、新函館北斗駅では何事もなく、次の新幹線に無事乗車できた。札幌から約5時間の旅となったが、いま、無事に新幹線が入線してきた。新幹線の車体を見たとき、なぜか大きな安堵感をもった。

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この車体を見て、ホッと安心感が高まった

安心するとおなかが減るもので、お昼は在来線で鮭めし弁当を食べたが、夕飯もお弁当になるのは確実。ホームの売店はインバウンドの皆さんで満員。とても中に入る気がせず、「車内ワゴンサービスでいいや」と気持ちを切り替え、入線した新幹線に乗車。全席指定の電車なので、今度はいつもの新幹線の景色になった。ここでも安堵感を味わう。

時刻通りに新函館北斗駅を出発するとすぐに青函トンネルだろうか?真っ暗なトンネルを数十分走り続ける。しかし、新幹線の速度と乗り心地と音と匂いは「新幹線」なので、心は落ち着いている。あと4時間で東京駅に着くのが確実だという確信が持てた。

新青森駅を通過した。
ワゴンサービスが来た!
「お弁当ください」
「お弁当はすべて売り切れてしまいました。今はおつまみとソフトドリンク、ビールハイボールだけになります」
ガ~ン!
じっと我慢して東京駅に着いたのだった。
11時にホテルをチェックアウトし、夜10時に帰宅できた。延べ11時間の北海道中膝栗毛おしまい。

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