高度運転支援技術はどんどん自動運転に近づいてますね。マイナーチェンジした日産スカイラインに搭載したプロパイロット2.0のテストドライブをやってきました。
外観はフロントグリルが変わり、日産のVモーショングリルになりました。このスカイラインの発売の時、インフィニティブランドで北米では販売し、国内でも「スカイライン」の名前を使わないという話が起き、日産社内でも大きな問題として議論されたそうです。
販社にとって「スカイライン」とう名前が日産を代表する車種名だし、多くの名車を残してきましたからね。
今回はスカイラインに戻ってマイナーチェンジです。で注目は「400R」と言いたいところですが、ハンズオフが可能になったプロパイロット2.0の搭載です。もともと技術的には可能なものでしたが、法律も追いついてきたので、可能になりました。逆に自動運転の分野では法律が先行している状況でもあり、カーメーカーは次世代車を開発しやすくなっている状況でもあります。
ZFのトライカムという3眼カメラを搭載し、モービルアイのアルゴリズムで走行します。これはBMWの新型3シリーズや7シリーズと同じハードになりますが、日産のUSPとして、大きなポイントは3D高精度マップとの連携があります。
連携するからこそ、より滑らかに自然に走行できます。詳しくは動画もあるので、以下の記事を参照してください。ちなみに、地図はゼンリンの高精度マップです。また北米の地図には対応していないので「スカイライン」を北米で発売するかどうか未定ということです。
※関連記事:【動画解説】日産スカイラインのプロパイロット2.0試乗記
2025年でエンジン開発は終了
衝撃的なロードマップはコンチネンタル・オートモーティブからのアナウンスです。EU協定で2030年目標とされるCO2排出量が決まりましたが、欧州では59g/kmという、とても今のICEでは到達できない数値で決定されました。
そのため、エンジン開発は「も〜う止めた」というわけです。
コンチネンタルオートモーティブの開発チームの一部はザイテックというエンジン開発チームを吸収して成立しています。ザイテックはレースに詳しい人なら知っていると思いますが、レースエンジンの製作から制御全般を開発しているエンジニア集団で、80年代の日産Cカーのエンジン制御が作品の一つとも言われています。
また近年ではル・マン24時間レースで走るLMP2のエンジンがザイテックだったと。そのザイテックチームは今はコンチネンタルにいて、ザイテック創業のギブソン氏はそのまま残り、今のLMP2のエンジン製造と制御を「ギブソンエンジニアリング」としてやっています。
こうした中、先ほどのCO2削減の数値が決まったことで、電動化へのシフトが決定されたのでしょう。
もちろん、欧州自動車工業会も声を上げています。
「技術的、社会・経済的な現実を考慮しない完全に政治的な動機に基づいた目標だ」と声明を発表していますが、CO2削減という命題の正義があるように感じるので、あまり大きく反対もできないといった事情があるようです。
そのためか、フランクフルトモーターショーも様変わりしました。
次回はその様子をお伝えしますね。