【ここだけの話】VOL33 運転って楽しい!

みなさんは運転って楽しい?って最近感じていますか?

僕は仕事柄クルマには毎日のように乗っていて、年間の走行距離は2万㎞ぐらい。一時期3万㎞超える時代もあって、新車でクルマを買っても3年で10万㎞走っちゃうという時もありました。

今は、デスクワークも増え減ってきましたが、それでも一般の人よりはだいぶ多い。それは試乗会や取材などで出歩くことが多いからですが、決まって移動は高速道路です。当たり前のように何も迷わず、高速を使います。高速を利用するのは当たり前だからです。

箱根で行われたレボーグの試乗会。こうした景色が楽しめるのもクルマならでは
箱根で行われたレボーグの試乗会。こうした景色が楽しめるのもクルマならでは

先日、ETC割引が一部変更され、割引率が変わったり、廃止される割引があったりで、高速道路料金が高額に感じるようになりました。さらにETCのマイレージもこれまで最大8000円分は還元してくれていたのに、気づけば最大5000円までの還元に変わってた。

そんなある日、以前、経理から言われていたことで「高速使わないで試乗会に行けないの?」という指摘を思い出した。ごもっともな話で、経費はかさむし、少しでも削減できないか?と考えた時に思いついたアイディア。でも時間はかかる。間違いなく大変になる。試乗会の多い箱根エリアや御殿場までず~とシタ道で行こうとすると何時間かかるか?でも行けないことはない。

BMW4GCの試乗中の写真。乗り心地をみているけど、ワインディングも楽しいクルマ
BMW4GCの試乗中の写真。NVHチェックだけど、ワインディングも楽しいクルマ

というわけで、ある試乗会へシタ道だけで参加してみました。多分、高速を利用すれば都内から2、3時間あれば着く距離。ただし片道4000円後半の料金はかかる。で、地図をながめ国道や県道を使って行ってきました。往復で500㎞を超える長距離。1日あたり250㎞前後を走ったのですが、これが意外と楽しかった。

MINIの3気筒でトライした国道299。狭すぎた。。。
MINIの3気筒でトライした国道299の正丸峠付近。狭すぎた。。。

往復でルートを変えてみた結果、かかった時間は行きが7時間、帰りは5時間半。それなりに疲れたけど、だけど楽しかった。地方の国道は意外にアベレージ速度が高く、信号も少ない。50km/hで巡航することも難しくないことを体験。

こんな山の中にも楽しそうな恐竜ミュージアム。先を急いで立ち寄れず。
こんな山の中にも楽しそうな恐竜ミュージアム。先を急いで立ち寄れず。

しかもワインディングはあるし、のんびりのどかな風景の中を走る気分はいい。サンルーフを空けて澄んだ空気を車内に取り込み、普段は決して止めたことのないエアコンのスイッチもOFF。季節は6月、梅雨の合間の晴れだっただけに、すがすがしく新緑がきれいで気分もいい。

取材で乗ったジャガーFタイプコンバーチブル。木陰が気持ちい。
取材で乗ったジャガーFタイプコンバーチブル。木陰が気持ちい。

免許とりたての頃、意味もなく走りまくっていた時代、高速道路など全く乗らなかった。もっとも今のように高速道路網が発達していなかったので、メリットを感じることが少なかったということも理由のひとつだが、とにかく一般道ばかり走っていた。そして無意味にシフトチェンジを繰り返したり、全開でアクセル踏んだり、いろいろやった。

中央道は勝沼まで、常磐道はなかった。東北道はどこまでだったか・・・仙台あたりだったか・・・東名は全線開通しているのはもちろんだが、鈴鹿サーキットへの取材は岡崎ICからあとは一般道で行くのが当たり前だった。筑波サーキットや谷田部の自動車試験場へは1泊で行くのが当たり前の時代だった。

国道を走ると「高崎 87㎞」とかの標識があり、「昔はこんな感じだっただなぁ。100㎞切ったか!」なんて会話を友達とした記憶が蘇る。もしかすると、今、クルマ離れとか、若者がクルマに対する興味がない、なんていう話はじつは、高速ばかり走っているからかも?と思った。

景色が楽しいから地方都市での信号待ちはかえって待ち遠しい。
景色が楽しいから地方都市での信号待ちはかえって待ち遠しい。ポスターの文字とか読んでみる。

高速は景色の変化は少なく、ただ真っ直ぐ、淡々と走る。まさに「移動」している感じだ。ドライバーはまだ、ハンドル操作もアクセルも踏むからいいけど、助手席や後席は電車に乗っているのと同じだ。好きなところに止まれるという自由さはあるものの、せいぜいSAを選ぶ程度。しかも最近のSAにはフランチャイズのファストフード的なものばかりだから、どこで止まっても「同じ味」の体験になる。

秩父へ向かう途中の国道299号。御巣鷹山はこの左奥。
秩父へ向かう途中の国道299号。御巣鷹山はこの左奥。

シタ道試乗会は途中に「道の駅」がある。ここにはフランチャイズ店舗はない。食堂的なフードコートが多いが、それでも地産地消的な取り組みは感じられ、ドライブを楽しむもう一つの楽しみもある。さらに道中には日帰り温泉なんてものもあるから、疲れたら温泉につかってひと寝入りしてもいい。

一般道はとにかく変化がある。だから楽しい。
一般道はとにかく変化がある。だから楽しい。

普段はそこまで時間が許されない環境だし、そこまでのんびりすることもできないが「ドライブ」とはそもそも、そういうものだったなぁということを思い出した。だからクルマの運転も楽しく、おいしいものに出会うかもしれず、いい湯に巡り合うかもしれない楽しみがある。少々爺くさい話だけど、僕が18歳の時、こうしたことが当たり前だったことを思い出した。どうでしょう、時間が許せるときは一般道を走るというのは。

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