スバルのBRZとトヨタのハチロク。発売時期や発表のタイミングも微妙にズレているが、2社が相談して発表タイミングを合わせたり、宣伝方法を話あったり、はたまた価格を検討するということができないらしい。自社製品なので、談合にはならないだろうが、独占禁止法なのか、カルテルなのか、良く分からないが、とにかく法律で禁止されているそうで、相談しちゃいけないのだ。したがって、スバル、トヨタのそれぞれが車両価格を決め、報道発表もそれぞれで行い、メディア向け試乗会もそれぞれが行うという結果になっているようだ。
トヨタは昨年11月のGAZOOレーシング・ファン感謝デーで早くも一般公開し、メディアにも試乗をさせている。編集部の代表としてタカハシも富士スピードウエイで行われた試乗会に参加し既報した。今度はスバルの番になるが、場所はもてぎ。松本編集長、カメラマン、そしてタカハシの3名で参加してきた。
試乗コースは、ロードコースの西側とオーバルの一部をつないだ特設のコースを設定している。それと、もてぎの敷地内を一般道路に見立てての走行試乗というシチュエーション豊富な試乗会だった。
とにかくBRZとハチロクではサスペンションのセッティングが違うというから、気になって仕方ないが、前回トヨタの試乗会は11月で、しかも富士スピードウエイのショートコースを2周するだけだったので、インプレッションも細かなところまでは出来ていない。 だから、ひとまず、BRZからインプレッションを体内にインプットしておくことから始めたいと思う。
試乗会当日は小雨。路面はややウエット。
「試乗に関する注意事項等ありますので、ブリーフィングルームへどうぞ」というスバル広報の案内で、今日一日の予定をレクチャーされる。おもに、コースのレイアウトについて、撮影ポイントについての説明を受けて、あとは順番を決めて試乗するだけだ。最初はもてぎの敷地内を周遊する試乗。それを45分間やったあと、サーキット試乗45分間だ。
「あきらさん、クルマは派手な奴おねがいしますね。スバルのブルーは飽きたし、シルバーはちょっと地味ですから赤とか試乗できないですか?」というのはカメラマンの中村。通称中カメ。あきらさんとはオレのこと。本名です。
中カメは、まもなく女子高校生になる娘をもつ立派な中年。腹も内脂トールの世話になったほうがいいだろうというほど、腹がでているが、本人は「胸がやせちゃって、お腹が目立ってるだけです」とぬかす。
「ご希望どおり、赤の17インチSグレードMTをキープしたよ」
「やっぱり、動画的にも赤はいいですよね。スバルのWRブルーはこのあと、事あるごとに撮ることになりますから、チャンスある時はできる限り違う色を録ったほうがいいですよね。それにモチベーションもあがりますよね」と。本当にモチベーションに影響するのだろうか。モチベーション低くても高くてもアガリは一緒なことが多い。それは、プロっつうことだろうけど・・・という会話をしながら、早速周回道路を走り出す。
「FSW(富士スピードウエイ)で乗った時は、いきなりサーキットだったからトルクの山がなく、極短に言うと、なんかモーターチックなエンジンだなという印象だったけど、こうして0km/h?60km/hぐらいの間でゴーストップすると、トルクあるね」とオレ。
「200psのNAですからね」と中カメ。
「でもさ、ハンドルのフィールとシフトのフィールがなんとも機械的で、ゲームセンターみたいだよ。決して反応が・・・という話ではなく、感触のことね。シフトもなんかシャカシャカしていて、シフトしているしっかり感はあるけど上質な感じがしないんだよなぁ」
などとぶつぶつ言いながらコースを周回し、時間までいろんなことを試しながら試乗し、パドックに戻った。
すると、松本編集長が
「どうだった?」と聞いてくるので、しっとり感がないシフトフィールでゲーセンみたいだったことを伝えると、「だろう?これ、乗り味はしっとりして上質だし、いいボディって感じさせるのにシフトフィールとハンドルの質感が合わないだろう」
「そうですね」
「シフトは特に、ショートストロークで金属同士が擦れる感触が手に伝わってくる。最近の欧州のマニュアルはロングストールでしっとりシフトするというのが主流で、このシャカシャカシフトは一昔前流行ったタイプに似ているよ」と編集長。
「そうですね。他のジャーナリストから聞いたんですが、アルテッツァの時代からあるミッションらしいですね。デフはマークXと共有ですしね」
「ミッションはそうは言っても、まさか昔のままということではなく、最新のモデルとしてチューニングはされているさ。スバルは4WDしかないからデフを組み込んだミッションしかない。だからトヨタのミッションを改良したほうがいいという選択をしたんだろう。デフは量販できているマークX用だからコスト面で有利なんだろうな。それと耐久性が高いからだろうな。」
「WRXのミッションはスバルの自社組み立てなんですか?」
「そう。自社製。だけどこれもフィールは固い方向で、欧州の嗜好とは少し違うと思うな」
「へ?そうなんですか」
「ところで、サーキットのほうはどうだったんだ?」と編集長に聞かれ
「こんなナチュラルに乗れるクルマだとは思わなかったですね。コントロールしやすいし、ロールやヨーもリニア。ブレーキもファーストタッチでばっちり決まりましたからね」とオレ。
「エンジンは?」
「3000rpmか4000rpmあたりからトルクが盛り上がり、あとは7000rpm付近まで途切れないトルクがありますね。サーキットはATで試乗したんですが、そのVDCのスポーツモードがすばらしかった」
「どういうように?」
「スピンモード直前まで制御介入がないんです。で、行き過ぎるとブレーキやパワーの制御が入りスピンモードは収まるんですよ。スポーツモードじゃない通常のVDCモードだと、少し荷重が抜けるだけで制御が働くので、一般道ならこれがベストですね。でもサーキットでは面白くないです」
「あきらさん、楽しそうに走ってましたよ。クルマから伝わってきたました」と中カメ。
「なんつったってATはシフトミスしないしさ、しかもブリッピングをきっちりするから、3コーナーからショートカットしてシケインに入るところなんて、ブレーキを残しながらダウンシフトして減速するという走りが簡単にできちゃうんだよなぁ」
「そうそう、外からみているとシフトミス一回もしないからうまい人だなぁって絶対思う。だれもATで勝手にクルマがシフトしているとは思わないでしょうね」と中カメ。
「乗ってるほうも、気分よくなってさ、クルマにノセられちゃうよ」
「さっきのドラミでは100km/h程度のサーキット走行って案内してましたけど、あきらさん踏んでましたね」
「分かっていたんだけど、だんだん気持ちよくて踏んじゃう。45分も乗れるからさ、結局オーバルの裏のストレート全開で踏んでた」広報さん、すみません。
「インカーの動画撮るんで助手席に乗った時、195km/h裏で出てましたよ」
「あ、そう。そんなに出てた。トップスピードというより、その先のS耐でも使っているシケインがあるじゃない。あそこの侵入の時に、高速であればある程、侵入に対しての減速が楽しいんだよ。万が一止まれなくてもヤバくないじゃん、あそこ」
「でもバンクが付いているところでシケインになってるから、クルマ的には不自然な動きを強いられるんですよね。でも凄い滑らかにクリアしますよね」
「ほんと、路面はねじれているけど、クルマは路面に吸いついたようにクリアするね。だからもっとイケるって感じるんだろうな」
「エンジン音もいいですよね」
「そうそう、サウンドチューニングの効果絶大!すんげー気分いいし、ダウンシフトのブリッピング、ヒールアンドトーとかホント気持いい。ATでもブリッピングするからなお、いいね」
という満足の一日で、運転が楽しくなるクルマであることは間違いない。そろそろ、巷ではインプレッション記事も出始めているので、じっくりと考察してみるのも楽しみだ。
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