「ティーザー期間が長かったし、クルマへの期待も大きかったから、待ち焦がれた感じがあるよな。最大の関心は、デザインと性能だろう?ようやく全貌を見せたわけだ。これはトヨタの社長豊田章男さんの肝いりプロジェクトだからな」
「なんすか?その肝いりプロジェクトって?」
「章男社長が率先して開発プロジェクトを推進してんだよ。だからFSWのガズーレーシングのイベントで自らハンドルを握って、お客さんの前に登場するイベントとしたんだろう?」
「あ?だからモーターショー前に一般人に見せたわけですか」
「で、見た目はどうだんだ?」
「クーペスタイルは自分は基本的に好きなので、好印象っすよ。でもタイヤハウスとタイヤの隙間が大きいのは相変わらず、日本車っぽくてカッコ悪いっすね」
「まだ、タイヤチェーン装着とか考えてんのかね?」
「どうなんっすかね」
「欧州車では、冬タイヤに交換が常識で、タイヤチェーンすら見かけないな。もっともチェーンつけてアウトバーン走るなんてことできるわけないからな。日本だとチェーンつけて首都高走ったりするしな」
「なるほど、そうなんですね」
「それで、乗った感じはどうだったんだ?」
「はい。富士スピードウエイのショートコースを2周」
「たった2周!」
「たった2周です。海外メディアやテレビ、新聞記者も乗ってました。これも異例なことですよね?インドのジャーナリストもたくさん来ていて、まともにマニュアルが運転できないひとも乗せていましたよ。エンストしたり、急にクラッチつないで、タイヤ鳴かせたり」
「そりゃ、インドや中国は日本の自動車産業にとって重要なマーケットだから、きっちりアピールする必要はあるだろう。それで、乗った感じはどうだったんだ?」
「AT仕様で、ESCをオン状態で乗ったんですけど、エンジンもステアリングも操作系が軽く、軽快に感じました。レース経験豊富なジャーナリストの中には、エンジンの吹けが重い、という人もいるし、軽快と正反対の意見がありましたね」
「そりゃぁ、比較する基準がレースカーとかポルシェとかと比較してんじゃないの?ちゃんと、セグメントの中で比較しなきゃ意味ないよな」
「あと、エンジンの吸気音が聞こえるので、昔のキャブ時代を思い出しました。ATでもダウンシフトのときにはブリッピングするから、なまら、気持ちいいっす」
「キャブ時代とは、また古いな。中高年にはおおウケ間違いないな(笑)。86はサウンドチューニングをしているから、適度に聞こえるんだよ。フォードマスタングのV8サウンドとか、プジョーRCZなんかもそういうチューニングをしている。演出は大事だよ、この手のクルマには」
「そうなんですね。あと、サスペンションやハンドリング全体は、ほとんどの人がGOOD!の評価が多かったですね。でもジャーナリストは厳しい目もあるから、あそこをもうちょっと、とか言っている人もいましたね」
「だって、市販車はある意味基準車的な要素をもっていて、好きなようにカスタマイズできる幅があるとかメーカーはいっているんだろう?だからセッティングは自分好みに、変更すればいいってことだろうな。それに、BRZとはセッティングが違うらしいじゃん」
「そうらしいですね。確認はとれていないですけど、トヨタから、BRZとは違うというコメントがあった、という話をジャーナリストから聞きました」
「わざわざFRにこだわって作ったスポーツカーといっているのだけど、FRって何だろうということを改めて考える必要があるな。それとやっぱり、トヨタとスバルではスポーツカーへの考え方の共有っていうのが、むずかしかったんだろうな。それぞれでプライドもあるし技術もあるわけだから、味付けの部分では譲れないということなのかもな」
「それは、それで、楽しみですね。ユーザーも乗り比べて、自分の好きなほうを買えばいいわけですし、選択肢が増えるわけですからね」