2016年9月3日に筑波サーキットで開催される「メディア対抗4時間耐久レース」の前哨戦として、「マツダRCカーグランプリ」が開催されました。これはメディア4耐における予選コースインの順番を決定するためのRCカーによる1時間耐久レース。第1回大会からメディア4耐に出場している「ザ・モーターウィークリー」チームも当然エントリーしました。筆者もポッと出のドライバーとして参加してきたので、今回は「ザ・モーターウィークリー」チームのレース参戦記をお伝えします。<レポート:北沢剛司/Koji Kitazawa>
ドライバー自らマシンを製作!
「ザ・モーターウィークリー」チームのエースドライバーは、レーシングドライバーでありモータージャーナリストでもある桂伸一さん。桂さんはかつてRCカーの世界選手権に出場していたほどの腕前。そんな桂さんが自らマシンを製作するというので、編集部でその様子を見学してきました。
今回、レースに参加する各メディアには、組立て済みのタミヤ製1/10 XB マツダ ロードスター(M-05 シャーシ)と、未塗装のクリアボディが事前に届けられました。レースはイコールコンディションのため、車体の改造や部品の加工、別売りオプションパーツ類の装着は一切不可。その代わり、クリアボディは自由に塗装できるので、「ザ・モーターウィークリー」チームではメディア4耐マシンと同じカラーリングをRCカーに施しました。
編集部に行くと桂さんはすでに作業中。あらかじめポリカーボネート製ボディのカットと各部の塗装、ミラーの取り付けまで済んでいる状態。あとはカッティングシートで製作したストライプとロゴをボディに貼付するところでした。
まずはマーク類をボディに仮止めして具合を確かめてから、ひとつひとつ丁寧に作業していきます。側面のマークは左右対照になるよう定規を使って位置決めをしたり、中央のストライプは何度も修正しながら正確に左右均等になるよう貼っていきます。模型製作においても、プロ級の腕前を遺憾なく発揮させていました。
個人的に気になったのは、ボディやバッテリーを固定するピンと穴の部分に、赤と青のペイントマーカーで色挿しを行なっていたことです。これにより、ピンを挿す箇所を正確に表すとともに、万一ピンが刺さっていない場合には一目で分かるという具合。これも長年レースの世界で活動してきた桂さんならではのノウハウです。
さらに勢い余ってプロポにも色挿ししていきます。最初は何をしているのか分からなかったのですが、よく見るとダイヤルの初期設定の位置にマーキングをしたり、機能別に色分けをするなど、一目で状態が分かるようにしていたのでした。さらにタミヤロゴをペイントマーカーで浮き立たせるなど、遊びゴコロも感じさせます。でも本当の意味は、このようにカラーリングすることで、他の参加者のプロポと間違えないようにするという明確な理由がありました。すべてのマーキングは、ミスの可能性をできる限りなくし、状態を一目で把握するという、レースの基本的な考え方を体現した作業だったのです。最初は落書きをしているのかと思ってしまいました。すみません。
こうして完成したRCカーは、まさに1/10スケールのメディア4耐マシンそのもの。本番に向けてモチベーションが上がったのは言うまでもありません。
レースの様子は後日公開の後編で!!!