今後のトレンドは温故知新?ジュネーブ・モーターショー2018の裏テーマは「レトロだよ! 全員集合」

今回のショーが世界初公開となるこのミニは、スイスの「EMIL FREY CLASSICS」社が開発したもの。しかもワンオフではなく、5台限定で生産する市販モデル。サブフレームを介してミッドシップに搭載されるVWゴルフGTI用エンジンは、最高出力220ps、最大トルク340Nmを発揮。847kgという軽量な車体を活かし、0-100km/h加速は4秒以下という実力を備えています。その過激ぶりはかつてのミニERAターボの比ではなく、しかもルノー 5ターボのような外観の派手さもありません。まさに「羊の皮を被った狼」の究極に位置するモデルといえるでしょう。

最新テクノロジーと懐かしのデザインが融合したルーフ

2017年、「イエローバード」の別名で知られる「CTR」の最新モデルを発表したルーフは、今回「SCR」の最新モデルを発表しました。1978年に同社が製作した「SCR」の名を受け継ぐこのモデルには、同社が独自設計したカーボンファイバーセルを採用。サスペンションはプッシュロッド式で、リヤには510 psを発揮する4.0L水平対向6気筒自然吸気エンジンが搭載されます。

ジュネーブモーターショー ルーフSCR
一見964風に見えるボディはポルシェ911とは別物

トランスミッションは6MTで、ターボエンジン+PDKが主流のポルシェ 911とは一線を画した内容となっています。乾燥重量は1250 kgで、最高速度は実に370 km/h。最新テクノロジーを採用しながら、自然吸気エンジンとマニュアルトランスミッションという伝統的なスポーツカーの公式にこだわっているのが特長です。まさにクルマ好きの心を捉えて離さないレトロモダンの究極的存在です。

ジュネーブモーターショー ルーフSCR ボディ構造
レトロな外観とは対照的な独自設計の車体構造

これからのクルマが新たな方向に進んでいくことに、漠然とした寂しさを感じている世代にとって、このようなレトロ風モデルは癒しの存在でもあります。素直に「やっぱりクルマっていいよね」と思える、ちょっと懐かしい雰囲気のクルマたちは、電動化や自動運転の方向に進んでいく自動車業界に対するアンチテーゼなのかもしれません。

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COTY
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