2017年のジュネーブでは、新生「A110」を華々しくデビューさせたアルピーヌ。1955台限定で発売されたローンチモデルの「A110 Première Edition」は、発売からわずか5日間で完売。アルピーヌへの期待の高さを改めて感じさせました。今回のジュネーブでは、車重を1100kg以下に軽量化した「A110 Pure」と、装備を充実させた「A110 Légende」の2つの市販モデル、そしてレーシング仕様の「A110 GT4」を発表しました。
「A110 Pure」の価格は5万4700 ユーロ(約711万円)で、「A110 Légende」は5万8500 ユーロ(約760万円)。これはA110と同様に1.8L 直列4気筒ターボエンジンをミッドシップに搭載する、アルファロメオ 4Cと直接競合することを意味しています。日本ではすでにアルピーヌ・ジャポンを設立。2018年6月には詳しい情報が公開される予定のため、名門同士のスポーツカー対決に期待が高まります。
このように今回のジュネーブでは、1970年代にWRCを制したストラトスとA110が新たなカタチで顔を揃えるという、興味深い展開となりました。
50年前の劇用車がまさかのヨーロッパデビュー
フォード・ブースの中央には、特徴的なダークハイランドグリーンに塗られた「マスタング・ブリット」が展示されていました。このモデルは、スティーブ・マックイーン主演の映画「ブリット」の公開から2018年で50周年となることを記念して、2018年のデトロイト・モーターショーで発表された特別仕様車。エンブレムを取り去ったメッシュタイプのフロントグリルとトルク・トラスト ホイールを纏った姿に、映画に登場した1968年式フォード・マスタング GTの精悍なスタイルが重なります。
てっきり北米限定モデルだと思っていたため、ジュネーブでのヨーロッパデビューには驚きました。「マスタング・ブリット」は限定車として過去に2度発売されましたが、50周年記念となる今回のモデルには、最高出力464 ps、最大トルク529 Nmを発揮する5.0L V8エンジンを搭載。性能面においても最強となっています。
原点回帰する高級車ブランド
レトロ志向は特定のスポーツカーだけでなく、高級車ブランドにも見られました。
ランドローバーは今回、「レンジローバー SV クーペ」を初公開しました。最近はBピラーから後ろのルーフラインを変更することで「SUVクーペ」を名乗るモデルがいくつもあります。しかし、このレンジローバーではボンネットとロワー・テールゲートを除くすべてのアルミニウム製エクステリアパネルを一新し、名実ともに2ドアクーペを実現。顧客が豊富なオプションのなかから選択した仕様を忠実に再現すべく、ジャガー・ランドローバーのSVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)が1台1台手作業で組み立てを行ないます。