ボルボ・カーズ本社は2020年12月9日、パワートレーンを生産するスウェーデン・シュブデ工場に電気駆動用モーターの生産ラインを新設し、今後5年以内に駆動用モーターのすべてを内製化すると発表しました。そのために約88億円の投資を決定しています。
ボルボは2017年に宣言したように、プレミアム電気自動車メーカーになることを目指しており、2025年までに世界販売の50%を電気自動車、残り50%をハイブリッドすることを目標としています。そのため、今後は純粋な内燃エンジン車は徐々に生産を縮小していくことも発表しています。
シュブデ工場は1927年以来のボルボ・カーズの主力工場となっていますが、電動化の時代を向かえ、大きく変貌しようとしています。このシュブデ工場では、当面はモーターの組み立てを開始し、その後はモーターの構成部品の製造もすべて内製化する計画となっています。
モーターの開発から生産までを内製化することで、今後登場するボルボの電気駆動用のモーターと電気ドライブライン、パワーコントロール システム全体のエネルギー効率と総合的な性能をさらに向上させることが可能になり、プレミアム電気自動車メーカーとしてのアピールポイントになると考えられています。
ボルボ・カーズの電気モーターの設計と開発は、スウェーデンのヨーテボリと中国の上海で行なわれていますが、2020年の初頭、上海に新しいモーター研究所を開設し、2極開発体制により高効率なモーターと先端のバッテリーの研究・開発体制が整備されています。
そしてこれまでシュブデ工場の生産の中心であった内燃エンジンは、ボルボ・カーズの子会社であるパワートレイン・エンジニアリング・スウェーデン(PES)に移管されることになっています。
PESはすでに2019年秋に明らかにされているように、今後は中国の吉利汽車(ジーリー)の内燃機関事業との統合を目指しています。この新たな統合企業で製造されたエンジンは、ボルボ、ジーリーの車両だけでなく吉利グループ傘下のロータス、プロトンなど多くの自動車メーカーに搭載されることになっています。