横浜ゴム アイスガード ファイブプラス北海道・雪上・氷上テストレポート グリップの手応えを感じる新スタッドレス【タイアップ】

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これからの季節、スタッドレスタイヤを理解し、ウインタードライブをより安全に、快適に楽しむために、今回から連載で横浜ゴムのアイスガード ファイブプラスを探求してみたい。

もうすぐ雪の便りが届く季節になったが、降雪地域の人にとってはスタッドレスタイヤに履き替えるのは当たり前のこと。また、非降雪地域で暮らす人でもスタッドレスの履き替えは毎年恒例という人も珍しくない。ともに、雪やアイスバーンなどに備えての準備だが、今回注目したスタッドレスがあるので、レポートしよう。

横浜ゴムのアイスガード ファイブが進化し「アイスガード ファイブプラス」となって発売された。名前の通り氷に強いことが容易に想像できる。3年ぶりのモデルチェンジで、その特徴は「氷に効く、永く効く、燃費に効く」という3つのポイントが大きな特徴だ。

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その実力をテストできる環境として横浜ゴムのスタッドレス開発拠点である北海道・旭川にあるテストコースを試走してきた。2015年2月にテストを行なったが、気候は暖かく、地元の人の話では50年ぶりに雪が少ない冬、ということだった。テストコースには十分な雪の環境があったものの、氷上テストの条件としては温度が高い-3℃という条件だった。

◆開発背景
近年、降雪地域はもちろん、非降雪地域でもスタッドレスの需要が高まってきているという。これまであまりスタッドレスを必要としていなかった人でも、このところの異常気象で備える必要性が高まっているのかもしれない。そんな馴染みの薄かった人だと、「スタッドレスにすると雪のない舗装路では、タイヤが柔らかいからクルマが不安定になる、高速道路を安心して走れない」また、「ノイズや燃費が極端に悪くなる」などの印象があるのではないだろうか。しかし、タイヤの進化によってそれらのネガ要素は改善され、夏タイヤと遜色のないレベルにまで改良されてきているのだ。

また、降雪地域の人たちにとってスタッドレスタイヤは必需品であり、毎年、履き替えを繰り返している。そうしたユーザーであれば、夏タイヤとスタッドレスとの差を感じる部分が少なくなってきていることは実感しているだろう。では、降雪地域の人たちが求めるスタッドレスへの要求は何か?

さて、横浜ゴムが行なった降雪地域、非降雪地域の人たちがスタッドレスに求める性能は何か?という調査では1位は氷上性能、2位に雪上ブレーキ、3位に効きの長持ち、4位に燃費、5位に磨耗という結果がある。圧倒的にアイスバーンでの性能アップを求めていることが分かる。その上で新品状態の性能の長持ちを期待し、さらに燃費も悪くならないというタイヤが求められていることになる。

アイスガード ファイブプラスはこれらのニーズに応えるべく開発されたタイヤで、従来のアイスガード ファイブより氷上性能で7%程度性能アップがあり、それだけブレーキ性能などが向上している。その秘密として、このニュータイヤの開発背景には北海道限定で発売されているアイスガード・エボリューション iG01に使われていた技術の応用ということが挙げられる。その詳細は次回以降の連載でレポートしよう。

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◆テストレポート
最初のテストは新・旧の比較を中心に乗り比べるテストで、通常の降雪した道路で見られる圧雪上のブレーキテストだ。クルマはプリウスを使用し「アイスガード ファイブ5」と「アイスガード ファイブプラス」の比較。50km/hからの短制動ではいわゆるパニックブレーキを踏んで、ABSを働かせて止まるというもの。

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テスト結果はもちろん新型のほうが短い距離で止まる。3回のトライでおよそ50cmから1m程度の違いだと思うが、目標のパイロンの通過と同時にブレーキを掛けるテスト方式なので、どうしてもテストドライバーのように正確にはいかず、バラツキがでてしまう。

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それより発進時にアクセルをラフに踏むと、新・旧の違いが分かりやすかった。つまり、アイスガード ファイブではクルマのトラクションコントロールが稼動するが、アイスガード ファイブプラスはほとんどトラクションコントールが稼動しないという違いがあったのだ。これは分かり易い違いで、発進性能での性能差をはっきりと感じるわけだ。また、ブレーキを踏んだ瞬間の初動の減速Gの強さも、アイスガード ファイブプラスのほうが気持ち強いと感じた。タイヤに力がかかる瞬間のグリップ力に差があるということなのだろう。<次ページへ>

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次に圧雪路面上でのパイロンを使ったスラローム。ここでの違いは切り始めのしっかり感の違いがある。切り始めてのグリップ感や手応えといったフィールの違いで、アイスガード ファイブプラスのほうが、しっかりとした印象だった。ハンドルを切った瞬間、タイヤのグリップ感があればドライバーの安心感は高くなるので、好ましい印象だった。これも短制動と同様で、タイヤに力が加わった瞬間の違いがあるという印象だ。

ただ、グリップに影響するタイヤのブロックデザインは変更されておらず、主に材質の変更による性能向上と説明があったので、このフィールの違いが何に起因しているのかは次回以降のレポートで報告しよう。

同様にハンドリング路での走行フィールの違いだが、S字などでの切り返しやコーナー進入時のグリップ感などいずれもアイスガード ファイブプラスの印象がよく、しっかり感、安心感が得られるというものだった。このハンドリング路は一般の山道に似たコースで道幅も一般道に近い。アップダウンやブラインドコーナー、逆バンク形状など一般道で遭遇する道路状況に似ている。それだけに、ドライバー心理として「この場面でグリップ感やブレーキの効きに安心感があれば…」というところで、シッカリとした手ごたえがあったので好印象になる。「まるで夏タイヤで舗装路を走っているのと変わらない」という印象だ。

次に、アイスバーン状態に管理されている氷上の短制動テストでは気象条件が悪く、-3℃ではあるものの晴天で、どんどん氷が溶けていく状況だった。アイスバーン上でのタイヤのテストは、氷の状態によりタイヤのテスト結果に大きな差が出るため、テスト用のアイスバーンは厳密に管理されている。本来は-5℃程度で、摩擦係数0.1以下といった条件が求められる。つまりアイススケート・リンクよりはるかに氷の表面が滑らかで、鏡の表面のようにつるつるに磨かれた状態を想像してもらいたい。犬や猫でも歩くのが難しい条件なのだ。

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このようにスタッドレスにとっては最も厳しい条件に管理したコースでテストが行なわれるのだ。スタッドレスの接地面は氷が溶け水分が発生し、さらに摩擦係数を小さくする。これがアイスバーン、ブラックアイスとよばれる最も滑りやすい路面である。氷上でのブレーキ試験はこのような条件で行なわれるが、今回は日差しが強くアイスバーンの表面の水分が通常より多い条件となっていた。

そのため、テストは体験できずテストドライバーによるデモ走行を見学するに留まった。このデモンストレーションでも数回の試技でいずれもアイスガード ファイブプラスのほうが短い距離でとまった。見た目では3m程度だったと思う。

アイスガード ファイブプラスの特徴が氷に効く、永く効く、燃費に効くというのがセールスポイントなので、このあとは舗装路での性能、燃費をテスト・計測してみたい。特に非降雪地域のユーザーでは、夏タイヤとそん色なく安心して高速走行ができ、かつ、燃費も悪くならないのか?本当なのか?という性能を中心にテストしてみたい。次回のレポートをお楽しみに。【タイアップ記事】

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