ダイムラー・グループの三菱ふそうトラック・バスは2039年までに全ての新型バス・トラックを電動化し、CO2を排出しない車両にすると2020年3月26日発表した。
この取り組みは、パリ協定に協調したものでCO2排出削減の取り組みをさらに加速させ、このロードマップのもとEVはバッテリー式かまたは水素を燃料とした燃料電池自動車のいずれかのみで実現できると考えている。そのアプリケーションとして、燃料電池トラックの量産を2020年代後半までには開始する。
2017年にいち早く電動トラックを発売
これまでに三菱ふそうは、2017年に初の量産型電気小型トラック「eキャンター」の販売を開始し、商用車のゼロエミッション化の先駆けとなっている。車両総重量7.5トンクラスの「eキャンター」はルート配送や都市部での走行に適しており、1回の充電で約100kmの走行が可能。日本、欧州、米国で合計150台以上が既に稼働中であり、走行距離はグローバルで合計160万km以上に到達している。
燃料電池トラック「eキャンター F-Cell」
そして2020年代後半までに燃料電池トラックの量産も開始する。燃料電池トラックは2019年の東京モーターショ小型トラックのコンセプトカー「ビジョン F-Cell」を初公開いているが、今回新たに、「eキャンター F-Cell」として改良した同コンセプトカーを公開した。
車両総重量7.5トンクラスのこのコンセプトカーは、より高いエネルギー密度の高圧水素を燃料として発電し、最大で300kmの航続距離を可能にする。この長い航続距離と水素の充填時間は10分以内という、電気自動車の充電時間に比べ大幅に短縮できることが優位点だ。
三菱ふそうは、電気自動車と燃料電池自動車は目的に応じてそれぞれ利点を持ち、顧客の個別の輸送ニーズに合わせて相互に補完し合うものと考えている。
ダイムラーの電動化研究開発部門として電動化を推進
また三菱ふそうは、ダイムラーのトラック・バス部門が2018年に立ち上げたeモビリティの研究開発を行なう組織「エレクトリック・モビリティ・グループ：EMG」の一員として、商用車の電動化における研究開発や戦略策定に参画しており、「eキャンター」の開発だけでなく、今後全てのトラック、バスの電動化を目指している。
三菱ふそうトラック・バスのハートムット・シック社長は、「三菱ふそうは商用車のゼロエミッション化において、世界で先導的役割を担っています。ダイムラー・グループのネットワークと技術を活用して先進的なeモビリティを開発し、CO2ニュートラルの運輸を実現することが我々のビジョンです。このビジョンを実現するためには、電気自動車や燃料電池自動車の充電・充填設備の整備、水素インフラの整備および車両購入時の補助金といった政府からの支援が必要です。三菱ふそうはCO2ニュートラルの車両をお客様に届け、お客様に向けてより優れたソリューションを提供し続けることを目指します」とコメントしている。
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