[PR]【ジャガーXEディーゼル試乗・動画】  モダン・ブリティッシュを余すことなく体現するスポーツセダン 文:河村康彦

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イギリスの名門ブランド『ジャガー』――その名前を耳にした時、「端正なデザインのエクステリアと調度品のごとく吟味をされたインテリアが特徴の、ちょっと年配のユーザーのための上品な4ドア・サルーン」……と、そんなイメージを浮かべる人は少なくないだろう。

確かにそうしたフレーズの一部は、このブランドの作品の特徴を見事に当てていると言って過言ではないだろう。一方で、もしもそれがアクティブで挑戦的なイメージを打ち消すものとして受け取られてしまうならば、そこではこのブランドが目指す真の価値観を理解するべく、一部考えを改めて貰うことも必要かも知れない。

長い歴史の間に、世界各地で絶賛された数々の名スポーツカーを世に送り出し、それと並行して幾多の本格レーシング・モデルの開発・生産も行なってきた。ル・マン24時間レースでの度重なる優勝も経験するなど、むしろそのDNAは“ダイナミズムに富んだクルマづくり”にこそあるのが、このブランドの神髄でもある。

1954年から56年の3年連続でル・マン24時間を制したDタイプ
1954年から3年連続でル・マン24時間を制したDタイプ
1988年のル・マン24時間で優勝を飾ったXJR-9LM
1988年のル・マン24時間で優勝を飾ったXJR-9LM

 

■新世代ジャガーブランド

プレミアムブランドの強豪がひしめくDセグメントで存在感を放つXE
プレミアムブランドの強豪がひしめくDセグメントで存在感を放つXE

そして、そんな”本来の姿”を改めて明確に世の中に分かりやすくアピールする姿勢が目立っているのが、このところ続々と登場をする様々な最新世代のジャガー車たちでもあるのだ。

2014年秋に発表され、翌2015年の6月からは待望の日本での販売もスタートをしたXEは、そうした新世代ジャガー群の中にあって、ことさらに重要なモデルだ。

それは、2001年に発表されたXタイプ以来、様々な競合がひしめくいわゆる欧州Dセグメントのマーケットに投入される、文字通り「満を持しての再挑戦」となるこのブランドの新しい基盤モデルにほかならないからだ。

スタイリッシュかつグラマラスなフォルムは新世代ジャガーならでは
スタイリッシュかつグラマラスなフォルムは新世代ジャガーならでは
スポーティとラグジュアリーが共存したインテリア
スポーティとラグジュアリーが共存したインテリア
後席も含めて高い居住性を誇る室内
後席も含めて高い居住性を誇る室内

4ドア・サルーンとは言っても、それが決して“退屈な実用車”などではないことは、いかにもスタイリッシュで躍動感に溢れたそのルックスからも、ひと目で明らかなXE。そんなこのブランニュー・サルーンに、また大きな魅力が加えられた。“インジニウム”なる愛称が与えられた、新世代のディーゼル・エンジン搭載モデルがいよいよ日本にも上陸となったのだ。

総額10億ポンド という巨費を投じて、英国ウェスト・ミッドランズ州に新設された工場で生産されるのが、「白紙状態から自社にての設計・開発を行なった」と紹介される、2.0L・4気筒の前出“インジニウム”ディーゼル・ユニット。

最新設計のディーゼルエンジンはガソリンユニットを凌駕する
最新設計のディーゼルエンジンはガソリンユニットを凌駕する

尿素SCRシステムの採用で徹底した排ガスのクリーン化が図られたオールアルミ製のこのエンジンは、ツインバランサー付きの4バルブDOHC方式を採用。430Nmという最大トルク値に17.1km/LのJC08モード燃費と、同じターボ付きの2.0Lユニットでもガソリン・エンジンを圧倒するスペックを並べるのは、いかにも最新設計によるディーゼル・エンジンらしいところだ。

 

■インプレッション
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そんな心臓部に早速火を入れると、ガソリン・ユニットと同様に瞬時に目覚めた後に、「ディーゼルならでは」と言える特有の放射音を交えた軽いノイズが耳に届く。

その音色は、ガソリン・ユニットが発するものとは確かに異質だし、ウインドウを閉じ切ったキャビン内に居ても“それ”と分かるもの。一方、そのボリュームは十分低く抑えられ、決して”ノイジー”とまでは感じられないというのもまた事実ではある。

加えれば、ディーゼル・モデルをこれまで日本に先行導入してきたドイツ発のライバルたちに比べると、その大半よりも車外音が小さく感じられるのも特徴だ。実際にスタートを切ってロードノイズなどの“暗騒音”がボリュームを上げてくると、後述のように常用するエンジン回転数が低く抑えられることもあり、「エンジン音は全く気にならない」と、そう表現するのが当たっている状況となる。
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最高出力を4000rpmで発生、と、そんなデータからうっかりすると「速度の伸びの鈍重さ」が連想されかねないものの、実際に自らドライブをすれば、そうした危惧は杞憂に過ぎないことはすぐさま明らかになる。

注目すべきはトルクの現れ方で、最大トルクを1750rpm~2500rpm範囲で発生するというデータの通り、現実には「2000rpmも回せば日常シーンのすべてが事足りる」という加速感が得られるのだ。

組み合わされる8速ATが、その瞬間に必要とされるエンジン回転数の最も低いポイントを、スムーズできめ細やかな変速で選択してくれることも相まって、ガソリン・エンジンに比べるとより低い回転ゾーンが常用域となることが、結果としてエンジンノイズを抑え込むことにも効いている。

ちなみに、100km/hクルージング時のエンジン回転数は、わずかに1400rpmほど。ちょうどターボ・ブースト圧も本格的に立ち上がるそうしたポイントは、実はまさに“これから!”という、このエンジン本領発揮の入口段階にもあるわけだ。

 

■XE魅惑のフットワーク
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ところで、いかにも新世代ユニットらしい素性の良さと、洗練されたパワーフィールを実現させた心臓を手に入れたこのモデルが、すでにガソリン・エンジン搭載のXEで定評ある魅惑のフットワーク感覚をしっかり堅持していることも是非とも付け加えておきたい。

同じ2.0Lのガソリン・モデルに比べると、ディーゼル・モデルは20~60kgほど重い勘定。けれども、実際に走り初めてみればそうしたわずかな差は実感として問題にならず、重量バランスに長けたFRレイアウトの持ち主らしい、アクセルやステアリングの操作によってもたらされる荷重移動の感覚が何とも自然で気分の良い、いかにもスポーティな”ドライバーズ・サルーン”らしい走りの感覚を味わうことができる。
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強調をしておきたいのは、そうした好ましいテイストは何もワインディング・ロードを攻め込んだ場面に限らず、日常でたびたび遭遇をするコーナーや交差点を通過する際にもしっかり享受ができるということ。

このあたりが、そもそも“走り”に拘るDNAの持ち主であるジャガーが長年に渡って蓄積したノウハウによる、バランス感覚に長けたフットワークの面目躍如という部分でもあるはずだ。

「これだったら、むしろガソリン・モデル以上にダイナミックな走りが味わえる!」と、そんな意見を述べる人が続出しても何の不思議もない“ディーゼルのジャガー”の誕生なのである。

ジャガー・アーカイブ
ジャガー ジャパン公式サイト

COTY
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