フェラーリ、新コンセプト「Icona」から「Monza SP1/SP2」、パリモーターショーで公開

フェラーリは、「Icona(イーコナ)」と呼ばれる新コンセプトの最初のモデル「Monza SP1」および「SP2」を、2018年10月4日〜14日(現地時間)に開催されるパリ・モーターショーで披露した。
※関連記事:フェラーリの伝説を蘇らせる新たな限定シリーズ「Icona」から「モンツァSP1」&「SP2」発表
Ferrari Monza SP1 SP2 パリ・モーターショー

「Monza SP1」と「SP2」は、ウインドスクリーンもルーフも装備しないユニークな車体構造を持つオープンエアー・スポーツカーだ。
「Monza SP1」は、シングルシート・ロードカーとして設計されており、「Monza SP2」はトノ・カバーを廃し、セカンド・ウインド・プロテクターとロールバーを追加装備することで、ドライバーと一緒にパッセンジャーも搭乗できる2シーター・モデルとなっている。

Ferrari Monza SP1
Ferrari Monza SP1

Ferrari Monza SP2
Ferrari Monza SP2

 

エクステリア

その印象的なデザインは、これまでのフェラーリ・マシン同様、モータースポーツからの影響を多大に受けており、「Monza SP1」「SP2」も、1950年代の「バルケッタ」をモチーフに、その魅惑的なフォルムとイメージを引き継いでいる。
エレガントなフォルム、ウイング・シェイプのオールカーボンファイバー製ボディシェル、プロポーション、洗練されたディテール、無駄を削ぎ落としたラインなど、徹底してシンプルな、まるで一筆書きで描いたような、極めて純粋なフォルムの創出された。
また、「Monza SP1」「SP2」の注目ポイントのひとつとして、テールライトに新しいコンセプトを採用された。新デザインのサイドライトとブレーキランプは分断されることなく、一体でシルエットを描いて上下シェルの間の薄いスリットに収められた。これによってテールライト・アッセンブリーが、フェンダーから流れ出てボンネットを囲むような一筋のラインを創出し、アッパー・シェルがまるで独立しているかのような印象となっている。
上方に開くコンパクトなドアのデザインには、フロントヒンジで開くオール・カーボンファイバー・ワンピース成型のボンネット・フェンダー・アッセンブリーも重要なポイント。その下にはV12エンジンが収まっており、エクステリアの重要な要素のひとつでもある見事なシェイプの21インチ、5本スポーク・ホイールは、Monza SP1とSP2のミニマルなラインに完璧に調和するようデザインされている。

さらに、パリ・モーターショーに展示される「Monza SP1」に用意されたカラーリングは、ボンネットにストライプを配したカラーとデザインとなっていて、「250 GTO」や「250 Testa Rossa」のようなフェラーリの歴史的なレーシングカーから採用したもの。ロールフープを兼ねたドライバー背後のバルジをストライプと同じカラーとすることで、リア・エンドまでのボディ・プロポーションを際立たせている。
 

インテリア

インテリア・デザインは、特にドライバーのコックピットを中心に設計された。トノカバーにある顕著な輪に関する「ドロップテーマ」から、インテリアの構造は3つのレベルに分かれている。
最初はドライバーの視界に入るエリア。この視点で見ると、車輌の内/外装の境目は極めて微妙なもので、ドライバーの身体は頭部を除けば完全にボディカウルに覆われ、頭だけが水平の広がる車の上面から飛び出している。まるでフォーミュラカーのようだ、この構成によって視認性を犠牲にするような要素は一切存在しない。
第2のレベルを構成するのは計器系とステアリングホイール、そしてエアベント。
最後に、シンプルなコックピット構造、アームレストの高さ、その他の残りの操作系となり、この操作系はスタイリッシュかつシンプルなひとつの面にまとめられている。
 

エンジン & ギアボックス

「Monza SP1」「SP2」には「812 Superfast」直系のエンジンが搭載されているが、インテークマニホールド内を流体力学的に最適化することで、より性能を向上。2018年インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを受賞した排気量4リッター以上のクラス最高を誇るV型12気筒エンジンは数多くの革新的な技術が導入。高性能ガソリンエンジンに初めて採用された350barの直噴インジェクションシステムと可変インテークマニホールドの組み合わせは、自然吸気F1エンジンからの技術移転で実現させたものだ。
これらの一切の妥協を廃したオープン仕様により、より一層V12サウンドを楽しめる。エグゾーストサウンドのみならず、特徴的な吸気サウンドなど、ドライバーはフェラーリのピュアなDNAを際立たせたモデルだけがもたらす、比類ない体験に浸ることができる。
 

ビークルダイナミクス

ウインドスクリーンもルーフも装備しないユニークな車体構造から、エアロダイナミクスは、これまでのモデルとは全く異なる特性を持つ。しかし、Monza SP1とSP2は0-100km/hを2.9秒、0-200km/hを7.9秒、制動性能においても100km/hからの停止距離はわずか32mと、812 Superfastと同等の性能を達成。最高速は、「812 Superfast」にはわずかに届かないが、それでも余裕で300km/hを超える。
これら性能は「F12tdf」でデビューし、その後「812 Superfast」にも搭載されたバーチャル・ショートホイールベース・コンセプトと電動パワーステアリング(EPS)により実現した。
大径21インチの鍛造ホイールにはフロントに275/30、リアに315/30というワイドタイヤを装着し、サスペンション・セッティングをわずかに固くすることで俊敏さと入力に対する反応性を高めたドライビング・フィールをもたらしている。
これらによって、純粋で妥協のないスポーツカー・ハンドリングを実現。ウインドスクリーンのピラーもないため、ドライバーの視界を妨げるものはひとつもなく、F1マシンのように自由にコーナーを攻めることが可能だ。
 

エアロダイナミクス

ウインドスクリーンのない完全なオープンエアー・スポーツカーにとって、大きな課題のひとつとなったのがエアロダイナミクスだが、特許を取得した「バーチャル・ウインドシールド」により、ドライバーは高速走行時にもドライビングに集中でき、システムはドライバーの視線より下に位置しているにも関わらず、かつてないほどの快適性を実現した。
一切のウインドスクリーン類がないため、ボンネットからの気流は、正面からドライバーの顔に当たる。しかしバーチャル・ウインドシールドは、この気流によるネガティブな影響を最小化し、この種のオープンカーだけがもたらす痛快なスピード感や路面との一体感ももたらすことを可能とした。
 

ドライバー&コ・ドライバー専用アパレル

フェラーリのヒストリーと直結したイメージを実現するために、ロロ・ピアーナとベルルッティというラグジュアリー・ブランド2社とコラボレートし、Monza SP1とSP2のための特別なアパレル&アクセサリー・セレクションも用意された。これらのウエア類やドライビングシューズなどは、機能性だけでなくデザイン面でも洗練され、Monza SP1とSP2のドライビング・エクスペリエンスをより上質なものへと演出してくれるだろう。
 


 
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