シトロエンC3エアクロス シャインパッケージ(FF/6速AT)【試乗記+動画】

シトロエン初のSUV「C3 AIRCROSS」が2019年7月に国内デビューし、試乗する機会があったのでお伝えしよう。

シトロエン初のSUVモデル「C3エアクロス」
シトロエン初のSUVモデル「C3エアクロス」

シトロエンらしさ

ひと目見てシトロエンとわかるエクステリア・デザインに惹かれる。オレンジをアクセントカラーに使い、「おしゃれ」とか「ハイセンス」といった印象を誰もが持つと思う。開発の狙いもデザイン、ユーティリティ、機能性の3要素をターゲットに開発されているので、SUVらしさをもちつつ、シトロエンらしいモデルを投入してきたわけだ。

このエクステリアデザインは、まさに一度見たら忘れない際立つデザインで、アクセントカラーも効果的。かつ可愛らしさもあるデザインだ。そしてSUVらしさとしてのタフさをもイメージできるルックスは圧倒的な存在感を持っていると言える。

他のどのモデルにも似ていない、シトロエンらしいデザインで誕生した
他のどのモデルにも似ていない、シトロエンらしいデザインで誕生した

走り出してみると、アップライトなシートポジションでフロントの視界がいい。女性が喜びそうなドライビングポジションで、ペダル位置も手前に感じる。もっともこのペダル位置はシトロエンに共通する昔からのレイアウトなので、ポリシーを持ってのポジションだと理解している。

アップライトなシートポジションで見晴らしはよく、インテリアも個性的だ
アップライトなシートポジションで見晴らしはよく、インテリアも個性的だ

そのシートの座り心地もこれまでにない、新鮮な印象だ。低反発のウレタンで、通常クルマに採用するウレタンの5倍以上の高密度のウレタンを使用したシートということで、この座り心地は体に徐々にフィットしていき、高いレベルでの満足度があった。

試乗車が「シャイン」グレードのパッケージオプションを装備したモデルで、タイヤがハンコックの17インチ、オールシーズンタイヤを装着していた。通常の「シャイン」とエントリーグレードの「フィール」には、16インチのブリヂストン・トランザが装着されている。

その16インチとの比較試乗はできていないが、17インチのオールシーズンはハーシュネスが厳しく、せっかくのシトロエンの乗り味をスポイルしていて残念だった。ロードノイズも少し気になるレベルで、カーブではゆったりとロールしていく、あのシトロエンの乗り味なのにコンフォート性を損なっている。

サスペンションはシトロエンらしい、ストローク感のあるサスペンションで、ロールはするけど不安がない、ゆったりとした乗り味はSUVになっても継承されている。またステアリングの操舵フィールも、近年SUVでもクイックに動くモデルが増えている中、まるで正反対のゆったりとした動きをする。

サスペンションとのバランスがいいので、とても快適に感じる操舵フィールだ。切り始めのタイミングを早めに開始し、じわりじわりと切り足して行くとゆったりとしたロールをしながら、しなやかにコーナーをクリアしてく。まさにシトロエンらしいのだ。

ボディサイズは全長4160mm、全幅1765mm、全高1630mm、ホイールベース2605mmでBセグメント・プラスのサイズであるが、ドライバーズシートに座っているとCセグメントサイズのように大きく広い室内に感心する。振り向いてもハッチバックのデザインだから奥行きもあり、Bサイズとは思えないルーミーさを感じた。

1.2Lの3気筒ターボガソリンエンジンに6速ATが組み合わされている
1.2Lの3気筒ターボガソリンエンジンに6速ATが組み合わされている

エンジンは1.2Lの3気筒ターボで、ピュアテックエンジンだ。出力スペックは81kW(110ps)/5500rpm、205Nm/1750rpmで数値は標準的だが、低速でのパンチの効いたレスポンスは小気味いい。組み合わされるトランスミッションは6速ATのEAT6を搭載している。WLTC平均燃費は14.7km/Lとなっている。

オプションでグリップコントールが搭載されるが、全てFFだけのラインアップになる
オプションでグリップコントールが搭載されるが、全てFFだけのラインアップになる

試乗車にはオプションのグリップコントロールが装備されていた。シトロエンはAWDをもっていないが、今回のSUVもFFオンリーだ。ただ、このグリップコントールでは、FFであっても4輪のブレーキをコントロールすることで、スノー、マッド、サンドといった路面状況にも対応できる能力を持っている。

実は、このグリップコントロールを装備すると前述の17インチオールシーズンタイヤが組み合わされているわけで、悪路を含めた路面を想定しているためのセット装備ということになる。

クラストップレベルの荷室容量があり、最大1289Lまで広がる
クラストップレベルの荷室容量があり、最大1289Lまで広がる

もうひとつ開発の狙いでもあるユーティリティはラゲッジスペースの確保だ。シートアレンジを多彩にして助手席を倒すと2.4m程度のセミロングボードが搭載できたり、トノカバー下の容量は後席スライドで410L〜520Lの容量が確保できる。さらにリヤシートを畳んだ状態だと1289Lの容量になり、クラストップレベルの積載容量があるのだ。

先進安全機能

アクティブセーフティブレーキ(被害軽減ブレーキ)やレーンデパーチャーワーニング、ブラインドスポットモニターなどのアクティブセーフティ、パッシブセーフティは装備されている。またC3にはないエアクロス専用装備としてグリップコントロールとセットのヒルディセントアシスト、パークアシストそして、バックカメラのトップリヤヴィジョンが装備される。

今回の試乗では高速道路を走行しなかったため、ACC系のシステムを試せなかったが、次の機会ではテストしてみたいと思う。

試乗車は17インチサイズのオールシーズンタイヤを装着した「シャイン」のパッケージオプションを装着していた
試乗車は17インチサイズのオールシーズンタイヤを装着した「シャイン」のパッケージオプションを装着していた

【価格】

シトロエン C3 エアクロス 価格

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