BMWジャパンは2019年7月24日、BMW M社の新しいフラッグシップ高性能モデル新型「M8」のオープン・モデル新型「M8カブリオレ」を発売した。なおデリバリーは12月以降に順次開始するという。
車両概要
新型M8カブリオレは、本格的なサーキット走行ができるパフォーマンスを備えながら、公道でのドライビングも楽しめるM8をベースにしたオープン・モデルだ。高品質なファブリックを採用した多層式ソフト・トップは、閉めた時にはくっきりと段差のあるノッチド・クーペのスタイルとなり、ルーフを開けソフト・トップが収納された状態では、印象的な曲線がキャビンを囲い、ボディ・サイドの流麗なラインとインテリアの美しい調和を強調することができる。
このソフト・トップは、時速50km以下であれば走行中でも15秒で開閉が可能で、しかも開閉時いずれでも350Lのラゲッジスペース容量を備えている。
M8カブリオレは、M8クーペと同様に低重心で伸びやかなシルエットに、フロント・サイドパネルは幅広なデザインを採用することで、ボディに光の反射による美しい帯を生み出し、究極を求めた高性能モデルであると同時に、繊細かつ優雅なラグジュアリー・モデルとしての個性を表現している。
超高性能パワートレーン
M8カブリオレに搭載されるV型8気筒エンジンは、BMW M社の最先端の技術を余すことなく採用し、アクセル・ペダルの微細な操作にも鋭く反応し、ドライバーの意思に敏感に呼応する超高性能エンジンだ。最高出力625ps/6000rpm、最大トルク750Nm/1800 -5860rpmを発生。0-100km/h加速はコンペティション仕様で3.3秒を記録する。
2基のターボチャージャーへ排気ガスを供給するVバンク内側のエギゾースト・マニホールドは、クロスバンク型を採用。最大限に排気エネルギーを活用し、素早いレスポンスを実現。また、燃焼室に燃料を供給する直噴インジェクションの最高噴射圧力を350barまで高めることで、極めて微細な霧状の燃料噴射を実現し、より高効率な燃焼を実現している。
ドライブ・モードは、新しくセンターコンソールに「Mモード」ボタンが追加された。これにより、メーターパネル、ヘッドアップディスプレイの表示方法や、運転支援システムの介入レベルを「ROAD」、「SPORT」いずれかのモードに変更することができる。「ROAD」は基本設定として全ての運転支援システムが有効になり、「SPORT」はドライバーが任意に設定した条件に基づいて、前車接近警告および衝突回避・被害軽減ブレーキを除く全てのブレーキやステアリング・システムへの介入を無効にすることができる。
シャシーテクノロジー
またM8で初めて採用されたM専用インテグレーテッド・ブレーキシステムは、アクセル全開時の高負荷条件下でも優れた安定性を実現するように開発。これは、ブレーキの作動、ブレーキブースター、ブレーキ制御の各機能をコンパクトに統合し、非バキューム式の電動ブレーキブースターを採用することで、約2kgの重量削減を実現している。
ブレーキ圧は電動アクチュエーターによって生成され、より素早く正確な制御が可能で、しかもインテグレーテッド・ブレーキシステムにより、ドライバーは任意に車両の減速度を調整することが可能で、あらゆる状況でドライバーが思い描くペダルフィーリングを実現している。
ペダル・モードは、快適性を重視した「COMFORT」モードと、素早い反応を重視した「SPORT」モードの2種類があり、必要なブレーキ・ペダルの踏み込み量を変更することが可能だ。そのため様々な走行状況下でも、ブレーキ・ペダルの感覚を一定に保ち、常に正確な制動ができる。
M8カブリオレは、 M5から導入されたインテリジェント4輪駆動システム「M xDrive」を採用している。エンジンが発生したトルクをフロントとリヤに無段階かつ可変的に振り分け、さらに、アクティブMデファレンシャルの搭載により、リヤの左右のホイール間のトルクを最適化し振り分ける。
特に新型M8カブリオレは、ダイミック・スタビリティ・コントロール(DSC)の介入は極端な状況のみに限定されており、エンジンから発生するエネルギーを、駆動力としてほぼ無駄なく利用ができる。そしてM xDriveは、後輪駆動を重視し、リヤホイールに優先的に駆動力を振り分け、車両が安定性を保つために必要なタイミングを見極めてフロント・ホイールに駆動力を供給する。
ドライバーは必要に応じてフロント・アクスルとリヤ・アクスルの間の駆動力配分を設定することも可能で、初期設定の「4WD」モードと、ほぼ後輪駆動に近い「4WD SPORT」モード、そしてDSCをオフにし完全な後輪駆動走行となる「2WD」モードを選ぶこともできる。
M8カブリオレ コンペティション
M8カブリオレ コンペティションは、よりアグレッシブなスポーツ走行を想定したモデルであり、エンジンからデザインまで、特別なセットアップとなっている。コンペティション・モデル専用のV型8気筒エンジンは極めて硬い専用のエンジン・マウントを採用し、よりダイレクトに動力伝達が可能だ。
デザイン面では、ハイグロス・ブラックのキドニーグリルとモデル・バッチ、ドアミラー、リヤスポイラーが装備され、よりアグレッシブなデザインとなっている。そして、新型M8で初めて採用されたMモード・ボタンは、通常モデルの「ROAD」、「SPORT」に加えて、運転支援システムの快適性と安全性に関する全ての機能が無効になる「TRACK」モードが装備されている。
【価格】
- BMW M8カブリオレ:2338万円(10%税込み)
- BMW M8カブリオレ コンペティション:2541万円(10%税込み)