フィアット ブランド初の小型SUVとなる待望の500Xの詳細解説

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左からティツィアナ・アランプレセ(マーケティング部長)、ロベルト・ジョリーノ(500X デザイン統括・FCA 欧州中東担当デザイン統括・副社長)、ポンタス・ヘグストロム FCAジャパン社長。

FCAジャパンは2015年9月29日、フィアット・ブランド初のスモールSUVとなる新型「フィアット 500X」を発表。2015年10月24日より、全国のフィアット正規ディーラーで販売を開始する。

新型フィアット500Xは、フィアット500が2008年に日本導入を開始して以来、「500ファミリー」として初めて追加された新モデル。また、フィアット500初の四輪駆動モデルとしても注目を集め、先に日本導入がスタートしているジープ・レネゲードとプラットフォームを共有しているのもポイント。

ラインアップはFF車のポップスターとポップスタープラス、4WD車のクロスプラスの計3グレードを設定している。

FIAT500X

FIAT500X

イタリア本社の「チェントロ スティーレ」が手がけたデザインは、1957年に誕生した先代500をルーツとしながらも、独自のスタイルと現代的なクロスオーバーコンセプトを融合。優れたオフロード性能を追加することで、アウトドアにもぴったりのモデルに仕上げた。

具体的には、エクステリアでは丸型ヘッドライトや側面に回り込んだボンネット、台形の鼻先、口ひげのようなクロームパーツなど、元祖500の流れを汲む現行フィアット500のDNAを受け継ぎながらも、より躍動感溢れるデザインを採用。車両前方から後方へ上がっていくウエストラインがダイナミズムを強調し、大型のホイールアーチと頑丈なドアで区切った現代風アレンジが特徴だ。さらにクロスプラスでは、専用バンパーやスキッドプレートなどのオフロードアイテムの採用により、クロスオーバーコンセプトを明確に表現している。

ディテールにもフィアット500らしさが散りばめられ、先代の「自転車サドル型」ナンバープレートライトを彷彿とさせるリヤゲートハンドルや、フロントモール、ドアハンドルのクロームトリムがその代表例。また、ボディカラーもフィアット500の特徴で、日本仕様にはホワイトやグレージュのソリッド系4色に、グリーンとブルーのメタリック系2色、パールコートのレッドを加えた計7色をラインアップした。

ボディサイズはフィアット500よりも全長で70〜90mm、全幅で170mm、全高で95〜110mm、ホイールベースでは70mmも大型化しているが、全長4270×全幅1795×全高1620mmとコンパクトなサイズ(いずれもクロスプラス)。その一方、アプローチアングル21.3度、デパーチャーアングル30.1度、ランプブレークオーバーアングル22.3度が確保され、コンパクトSUVとしての走破性を高めている。

FIAT500X

室内は、ボディの大型化に伴い、現行フィアット500よりも居住性を高めているとともに、高級素材の採用や仕上げによりクオリティをアップ。加えて、スイッチ類をドライバー側にオフセットして操作性を向上させるとともに、チルト・テレスコピック機構付きステアリングホイールやラップアラウンドシート、ゆったりとしたレッグスペースなどにより、運転時の快適性を高めている。

インテリアで特徴的なのはメーターで、フィアット500の単眼メーターから独立3眼メーターを採用。左に速度計、右に回転計、中央に3.5インチのTFTモニターを配置する。また、往年の500をモチーフにしたインパネ中央の3つのスイッチ、その上の5インチタッチスクリーンオーディオ、各種スイッチ付きレザーステアリング、ボディ同色インストルメントパネルなど、フィアット500らしいレトロな美学と先進テクノロジーが融合したデザインとなっている。

FIAT500X

FIAT500X

搭載するエンジンは直列4気筒1.4Lマルチエアターボだが、最高出力は140psと170psの2つの仕様を用意。前者がFF車用、後者が4WD車用となり、トランスミッションはFFが6速デュアルクラッチAT、4WDが9速ATとなる。9速ATの採用はフィアットブランド初となるとともに、このセグメントでも類を見ないものだ。フィアットが誇るマルチエア技術にアイドリングストップのスタート&ストップ機能、そして新型トランスミッションの組み合わせにより、力強い走りとともに燃費向上や二酸化炭素排出量の削減といった高い環境性能を両立する。

また、駆動方式は前輪駆動と四輪駆動が用意されるが、4WDシステムはフィアット初のトクルオンデマンド方式が採用された。これは必要に応じて後輪に駆動力を自動的に配分するシステムで、通常時はエネルギーロスを低減して燃費を向上。路面や走行状況により最大で2000Nmのトルクを後輪に伝達することで、グリップが低下する状況下でも最適なロードホールディングを実現。また、ESC(エレクトロニック スタビリティ コントロール)と連動して走行安定性も高める。

加えて、3モードから走行特性を選択できるドライブモードセレクターを全車に装備。エンジンをエコ仕様に設定して燃費や二酸化炭素排出量を最小限に抑えるオートモード、よりダイレクトなドライビングレスポンスとなるパフォーマンス重視のスポーツモード、グリップ力や悪路走破製を高めるトラクションモードから選べ、エンジンやトランスミッション、ブレーキ、ステアリングなどを統合制御する。

このほか安全面も充実。7個のエアバッグ(フロント/サイド/ウインドウ/ニー)やESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)、ABS+EBDといった基本的な安全装備のほか、前面衝突警報やレーンデパーチャーウォーニング、ブラインドスポットモニター/リヤクロスパスディテクション、ヒルホールドシステム、DST(ダイナミック・ステアリング・トルク)など、最新の安全装備や電子デバイスを採用するのもポイントだ。

フィアット 500X 諸元表

■フィアット500X価格
・ポップスター:286万2000円
・ポップスタープラス:307万8000円
・クロスプラス:334万8000円

 

 

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